タイガー&バニー/セイクリッドセブン/アザゼルさん/青の祓魔師

TIGER & BUNNY・14話。OPED変更、第二クールバージョン。企業ロゴをみっちり見せるのに苦労してるな、とどうでもいいところに感心してしまったがそれはともかく。ジェイク事件が終了して一段落の皆さん、タイガーバニーのお二人さんはヒーローTVのインタビューを受けている。妙に仲良さげに談笑している絵面に違和感があるな、ひょっとしてシコミかしら、とか思ったが割とマジで仲良くなったみたい。バニさん、知らんうちにすっげえデレてんのは何故だ。いいけどね。


デレと言えばローズさんも大概。この子の場合はまだティーンなので、自分のキモチを自分でちゃんと受け取れていないキライはある。クラスメイツのメガネさんが、ローズさんの言葉にいちいち「それは恋じゃないぞ」と否定するのを見て「何だーデキる子みたいな外見してラブラブに疎いメガネだなー」とか思ってたらそれは深謀遠慮、すいませんラブ方面に疎いのは当然ワシの方でしたごめんなさい。もう二度とメガネさんの言葉は疑いません。しかしタイガーさんの方は未だに「対娘」的な視線だからなあ。うーんまあ、これは成立しそうにないカプリングではありましょうね。いやまだ判らんけど。


そのタイガーさんには何やら新能力的な雰囲気がある。いかにも2クール目のパワーアップイヴェントのシコミっぽいけれど、次回への引っ張り方がちょいと不安な感じ。それなりにリスクのある新パワーなのか、あるいはガッカリイヴェントなのか。ま、それは次回。あとスーツ姿でバナナ喰うシーン、変身後は基本的にCG処理だから当然そうなんだろうけど、喰ってるバナナまでキレイなCG描画でできてたのが地味に可笑しかった。何かそこはかとないオモムキがある。


●新番組・セイクリッドセブン。のっけから何やらニヒルっぽい主人公の片目が光り疼いて力を発動しかけている…というまあ、何というか、すっがすがしくも判りやすいジャンル提示シーンからスタートである。んでもって執事とメイドで構成された巨大組織、儚そうだが芯は強いお嬢様、近寄りがたい主人公に唯一屈託なく接する庶民派少女、謎のパワーで大暴れする異形の怪物、という専門店で見繕ってもらったようなド定番要素のつるべ打ち。うーむ、これで脚本や演出などの土台構造が弱かったら辛いかな、とか思ってたらそれは杞憂であった。流石サンライズ。検索したら7スタ説と8スタ説が出てきたが、その中では7スタっぽいかなあ。ま、それはともかく。


上記のように、ありふれたネタを使いながらガッチリとした見せ場とパワー描写でねじ伏せられた感覚で、見終わったら「あ、面白いやこれ」ってな印象となった。制作陣もある程度そこらの「アリアリ感」には意識的で、かつそれを利用して話作りをしているように見える。主人公アルマさんと出会って一悶着したお嬢様の台詞、「これが…アルマさんの…」で終わって「ああ流石に「…力!」とまでは言わないか」とか思ってたら、あとでアルマさん自身が「これが…俺の力なのか…!」である。あー言うんだやっぱ、というね。どこまで意図したのか判らんが、単純に「負けたっす」と思っちゃった。うん。


作画は本当に丹精である。所謂先鋭的な作画アニメ的なシーンはないが、とにかくダイナミックかつシャープな絵である。キャラについてはいのまた原案はともかく、要所で千羽/中田のギアス顔になるのが妙な安心感っすね。スタッフ見ると毎度の鈴木兄弟、あーなるほどそれなら納得…って二原に大橋誉志光の名があるぞ。あー、やっぱ描きたいか絵を描きたいか。でも監督仕事もちゃんとやろうね。


てことで、うーむ…この曜日あまり本数が増えて欲しくないけど…これは見とこう。面白そうだ。でも途中でダレてきたら切るよ!


●よんでますよ、アザゼルさん。・最終話。べーやんの消失である…のだが、まあこの作品のことだ、マジ死んだにせよ実は生きてたにせよどーせしょーもないオチが付くんだろうなーとか思ってたらそれ以上ではあった。最終話のクライマックスが「うんこまみれの悪魔が大爆発」ってどないやねん。そしてエンドロールの無駄な爽やかさは何やねん。んでもってロール後のエピローグ、今は亡きゼルエルさんを何も知らず待ち続けるお母んの絵でシメ、ってどこまで心にズンと重くのしかかるギャグやねん。ホンマ好き放題やな!


最後まで絵もよし、演技よし、演出よし、脚本最低でよし。真相を知った瞬間のアザゼルさん、オノサカ声で「いや…お前もうホンマ死ねや」のボソ台詞が最高であった。毎度ながら、アニメアフレコという状況下であそこまでスに近い関西弁ギャグ台詞を吐けるのは強大な武器である。ゲストも豪華、最高神として谷口節のシブ声にうんこちんこ言わせる頭悪さもさりながら…きゃー雨蘭さーん! 雨蘭咲木子さーん! 好きじゃー安達忍愛河里花子と同じカテゴリで好きじゃー。最近お見かけしてなかったので満足です。以上。


●総評。悪魔と悪魔使いが外道なことするギャグアニメ…なんだけど、原作の要素と監督のノリがガッチリと噛み合って非常にエエ感じに酷くなっており、見てて気持ちよろしい。いや原作はあまり見たことないけどさ。とにかく水島努監督の真骨頂である身も蓋もないテンポとギャグ、これが冴え渡った作品だった。15分という短縮枠だったのもこの割り切ったテンポに良い寄与を果たしていたのじゃないかなと思う。


それとあと、声優陣ね。まあよくここまで揃えられたなってな感じのベストキャスティングであり、筆頭はもちろんアザゼル役の小野坂さんですよな。関西弁に限らず声優仕事において方言でちゃんとギャグをこなすってのはかなり難しい技量が必要とされるんだけど、そんな障壁なんぞ軽々と越えてったカンサイノリに割と頭が痛い。一話の「何ですのんこれ…」の台詞、あれが聞けただけでも千両よ。


それ以外のキャスティングも総じて当たり役ですな。アクタベはんもべーやんもアンダイン姉さんも良かったが、サクちゃん役の佐藤利奈さんが個人的にマル。どんどんとエーカゲンな性格になってゆくサクちゃんを演じてんのがとにかく楽しそうでねえ。


あと忘れちゃならねえIG作画の贅沢さ。あんなドしょーもない(失礼)画面やギャグを、IGの高い高い技術力(と脱力)で提示されたらそらたまらんわな。たまーに所謂所の「作画アニメ」的な本気絵もあったりしてね。なに考えてんだか(褒め言葉)。…てことで、正直言うと今期一番次回が楽しみだった作品の一つではありました。うん、時々こういう剛速変化球が来るからアニメは面白い。


青の祓魔師・12話。メフィストさんのメッフィーランドに出現するゴースト…幽霊を何とかするご一統である。場所や状況からしてどちらかというと研修の延長のような雰囲気だが、となればそれに乗じて不穏なコトが発生するのが常ではあろう。今回はアマイモン、メフィストさんの「弟」である悪魔がリンさんにちょっかいをかける。感情が薄いのに享楽的、そして地の王に相応しい力を持つ彼はリンさんを圧倒する…というお話。


劇中における二つの「鬼ごっこ」にあまり相互関連がなく、しえみさん側のおっかけっこは別のもので代替可能な程度の事件なのがちょいと残念かな。もちろん普段の和装じゃなく制服姿でちちを誇示し、そしてそのことに無頓着なしえみさんを賞玩するには十二分な状況ではありますけどね。でもね、とりあえずボロボロに痛めつけられたリンさんを前に「今度遊園地に来ようね」と笑うっちうのはちょっと天然が過ぎるよ。そこはもうちょっと気ィ遣ってやんなせえな、とか思ったり。


んでもって登場時より謎である塾生がまだ居る、そのうちの一人「山田」の正体が明らかになる。バチカンより遣わされし痴女っぽい姿のSっぽい言動のサトリナ声の、まあそんな人・シュラさんである。どうやら他の塾生よりは事情に精通しているようですが、目的やいかにってとこですかね。単なる間者とも思えないが、さて。