荒川/四畳半/さらい屋五葉/ヒーローマン

荒川アンダー ザ ブリッジ・5話。承前、シスターの人が沢城さんにコテンパンに言葉攻めされる話。…この沢城マリアさんの受け持ちはドSキャラ、っちうよりは単にイヤゴト言いの人なのであるが、どうもシスターは彼女に惚れているらしいのでどうしようもないな、ってことで。マリアさんだけじゃないが、今んとこ各キャラはかなり表層的な属性に留まっているので見ててちと「浅い」感じがするな。ギャグや挿話のパターンがもう少し多彩ならそれでも「話が持つ」気はするのだけれど。


ま、そこら辺は意図的に掘り下げていかなくても、エピソードが積層してゆけば自然と奥行きも出てくるのでしょうけどね。


んで今回登場の人はピーコさん。野菜作りマスターのお嬢さんである。主人公であるリクさんの役所はツッコミとイジラレであり、今までは彼の「イジラレ」部分に呼応するための攻撃性の高いキャラが比較的多かったのだけれど、ピーコさんは彼の「ツッコミ」部分に呼応するキャラ。なのでそのツッコミ対象である「壊滅的なドジっ子ぶり」以外の部分はそこそこ普通の人のようで。こういう「普通に話のできそうな人」ってのは今のラインナップでは貴重ではないかな。


あと、ステラの名前候補がコブラとハインド、と聞いて「はて、ステラっちう軍用ヘリってあったっけ」と検索しちゃいましたよ。無いっすよね? 実はあったりして。


四畳半神話大系・2話。前回テニスサークル内にて(小津さんの教唆もあって)鬱屈をこじらせた末に鴨川に散った主人公の人であるが、何故か今は映画サークルにて鬱屈をこじらせている。…ははあ、あのタイミングで時間巻戻りィのパラレル分岐しィの、っちう構造なのね。てことで今回は、軽佻浮薄なイケメンセンパイに牛耳られた映画サークルのお話。


相も変わらず青臭いリクツとプライドだけは巨大だが、周囲のリアルで充実した人々の群れにはちいとも馴染めない主人公さん。そんな彼を小津さんが見逃すはずもなく、今回もどっかで見たような経路をたどって夜逃げに至る、のである。しかしこうして別人生の再生を見てると、小津さんの言う歪んだ愛情ってのは案外純粋なのかもしれないなあ。とりあえず彼と話している時の主人公の人は(感情のあり場所はともかく)実に活き活きしている。「どーせアナタはどんな道を選んだって今みたいな有様になっちまうんだ」っちう小津さんの、メフィストじみた言葉が響きます。やっぱエエキャラやなあ。


繰り返し二回目ってことで、構成や演出に特にピーキーな所はなく(いや、他のアニメと比べると尋常じゃない尖り具合なんだけどね)判りやすく仕上げてある感じ。しかしこういう繰り返し構造の作品って、各話演出が違う人だとちと困ったりしないかな。今回はそう違和感は無かったけれどね。…それにしても作画がエエなー! 湯浅監督の作品だからってな安心感もあるが、今回の話でも細かい芝居やら動きやらにいちいちため息出たわ。贅沢なことだ。


…あと、城ヶ崎先輩のと主人公たちの映像作品、両方とも見てみたいような気はするよ。「オレオレ軽薄エンタテイメント」をキッチリこなしてるなら、先輩の映画も面白そうですよ。


さらい屋 五葉・3話。五葉さんたちに用心棒の仕事を周旋してもらって一応落ち着いてはるマサさんである。仕事先のお子さんに気に入られて…ちうかなんか気ィ遣てもろたりして、二人で遊んだり話したり睡眠薬大福喰って仲良く寝てたり、まあ楽しそう。そらまあまっつぁんも「うざい」くらいのことは思いますよなあ。


どうにも頼んないマサさんを、何故か気に入って仲間に引き込もうと画策するヤイチさん。ストレートに勧誘したのでは拒絶されるだろうからってんで「徐々に巻き込んで」いこうとするのがイヤらしい、っちうかまあ、そうでもせんとマサさんどうもハッキリせんしなあ。自分たちは義賊ではない、後ろ暗い人物をかどわかし対象として選ぶのはシゴトがやりやすいからだ、というヤイチさんの言に、さてマサさんはどこまでついていけるか、ですかね。


まあ…確かにそれはその通り。彼らが(とりわけヤイチさんが)この仕事をしている理由ってのも何かありそうな気もしますがね。単に「ウメさんの娘を救ったのがキッカケ」って以上のワケとか、ありそうだ。それもおいおい描かれてくのでしょう。一部はあの回想シーンでもね。


●HEROMAN・6話。敵の改造人間となったウィルさんは、案の定不完全な洗脳処理しかされてないので妹のリナさんの声に苦しむのである。ギルの笛ですな。しかし何ですねえ、スクラッグさんは割と手軽に現地生物の洗脳手段を持ってるんですねえ。これが最初の実地適用とは思えないのであり、となると…石塚のボスの人とか結構、根っからのスクラッグかどうかアヤシイんと違いますかね? まいいや。


大怪球たちは一直線に各地域の心臓部を狙っている、という事実。止めることのできないこの自動兵器を何とかするには、敵のマザーシップをヤッツケなければ…ってのはまあ、こういうジャンルの定番なのでツッコまないことにしよう。にしても、時間的余裕があるならさっさとホワイトハウスなり何なりから退避したらエエんと違うかなあ。それこそ「ワシントン近郊のひみつ地下指令センター」に拠点移動とか、さ。カッコいいじゃん。ダメっすか。


辛い状況に打ちしおれたり取り乱したりしてるお子さんたちを、キッチリと諭しまとめ上げているチョーさん教授はよい要釘である。いかなマッドサイエンティストとは言え、一番身近に居る「大人」としてちゃんと精神的な頼りとなるだけの度量はあるワケですなあ。…とか言うてたら大統領サイドにも実に胡散くせえマッド科学者が。ミナミさん、ですか? ヤポンスキー? うはは、よおし実によし。ゼヒ要らんことして場をかき乱してください。期待してます。