デュラララ/おお振り/ナイトレイド

デュラララ!!・17話。てことで、サイカの母としてのアンリさん。彼女は何故寄生虫であらねばならぬのか、そして他者との関わりを避けてきたのか。行住坐臥いかなる時にもサイカの「愛の言葉」から逃れられなかった故、である。彼女にとってそれが日常だったのだ…っとまあ、ここで日常非日常の対比が出てきたりしてね。しかしこの街に住んでる人は、だれもとんでもない非日常を抱えてんじゃねェかなって気がしてきました。そしてその非日常を操るイザヤさんの腕の長さや、如何に。


しずちゃんさんの実に活き活きとした大立ち回りシーンは、彼の心理的ブレイクスルーの大きさによく見合ったデタラメな作画と演出で大層楽しかった。襲い掛かる大量のサイカゾンビたちのとことか、思わずコマ送りしちゃいましたよ。あと、ワシ的には本作の主役である竜ヶ峰さんがとうとう最後までなーんもしなかった…正確にはヘボ役しかしてなかった、ってのがまた。表面的にはナイーヴである彼らしい、とは思いますけれど。


んでその相方のマサオミさんは、古巣の暴力的集団にヨリを戻されつつある。いや、半ば彼自身で入り込んでいるのだが、その道筋は少々曲がっておりましてね。無論その道を曲げたのも多分イザヤさんなのでしょうな。てとこで次回。


おおきく振りかぶって〜夏の大会編〜・6話。崎玉との試合を終え、次に向けてのインターバル。崎玉さんたちとの練習試合談義を見るだに、ホンマここはちゃんと普通のチームなのね。そして次の対戦相手であるビジョウ…美丞って書くのか。今シーズン第1話で出てきた喰えないジャイアン・ロカさんのチームですな。どうにも一筋縄ではいかなそうな雰囲気であるが、さて。


相変わらず三橋さんはめんどくさいお人であり、ロジックと自我の人である阿部さんにとって、関係を構築するにはなかなか大変な相手ではありましょうな。阿部さんに依存しようとして/依存できて喜んでる三橋さんのモノローグは(大きなお姉さん的にも)興味深いところだけれど、こうしてわざわざその要素を際立たせるってことは…ふむ、これから阿部さんがどうにかなっちゃうってことかしら。心配ねえ。


手探りながら活動し始めたチアリーダー部隊が、手作り感覚でかわいらしいくもぴっちぴちな若さでよろしいよろしい。その上であと、センパイたち二人が二人ともかなりグレード高くてこっちにも参ったりした。ふわふわ髪の毛のハキハキメガネにふとまゆトロ目の鷹揚姉さん…ううむ。高校の低学年から見た「大人の先輩」という雰囲気がガンガンに濃厚で素晴らしいね。お母さん方とはまた違った大人っぽさがよし。


閃光のナイトレイド・5話。浪川大輔の人には文字通り「過去の傷」がある。「らしからぬ失態」を呈してしまう程に、その傷…その男の存在は大きいものである。かつて彼ら二人の間に何があったのか視聴者に詳細は知らされないが、だからこそ「あー、まァ何となくね」てな想像も働こうというものですな。国民党がどうの共産党がこうの、ってな要素は単なるフレイバー。…ま確かに、その男・西尾さんには共産思想が似合ってる雰囲気はありますですけどね。


「この写真がどうかしたか」と言われて「…いや」とだけ返すとか、待ち伏せ現場に踏み込まれて海に飛び込んで逃げ遂せるとか、何となく古い探偵小説のようなベッタベタさを前面に押し出してきてんのはある種、風情があると言えんこともない。その極致はラス前シーケンス、久々に出会った二人・ただ立ち尽くす浪川さんから離れ行く蛍一匹・場面変わって夏の日に死に行くセミと窓辺の情婦・見下ろす街角には男の姿は既に無く…という一連の「絵」ですわな。ベタな構成の話だけに、こういう絵面の連鎖がキレイに話のシメとして働いている、ってな感じでした。


けどまあ、ちょっと要素を詰め込み過ぎのキライもあったりしてね。前も言うたか知らんが、これで40分くらいならちょうど良かったような気がするよ。そういうワケにもいかんですけどなあ。