荒川/四畳半/さらい屋五葉

荒川アンダー ザ ブリッジ・8話。リクさんの過去がやって来たの巻。てことで、以前バリバリ経営とか投資とか、「常識的世界」でやってた頃の縁者さんが登場である。んでもってリクさんは「いやー今もちゃんんと世間の常識的世界に居るのですよ」とごまかす策略を立てるのだが…という。実際この期に及んでごまかしてもしょっがねーような気はするんですけど、そこらがまだ常識人の彼らしいってとこですかねえ。…ちうか、こんな長期不在してて探索とか不都合とか無いのかしらん。


来訪者はハゲの秘書とビジネススーツの姉さんである。今回はハゲのチョーさんがメイン。そのリクさんへの思いは一時的に荒川下の人々を引かせるほどのアレですが、本物ではある。今のリクさんが彼なりに幸せであることを見届けたチョーさんは、自分の役割が一つ終わったことを知って去ってゆく。ま、親父さんに知られちゃったので次回以降めんどっちいことになりそうですけどね。彼が半分傷心、半分安心の体で去ってゆく時のいでたちはトレンチコート。男がマジになる時にはやっぱトレンチコートをなびかせないとね。よう判らんが。


四畳半神話大系・5話。さァて今回の学生生活は…って、また今までに輪をかけてワケの判らんアバンだなあ。とりあえず話がスタートしてみると、今度のサークルはソフトボールクラブほんわかだそうで。今までに比べて実に害の無い、実にほんわかしたクラブのようでなんだ、これなら結構マシなパラレルワールドじゃないか…と思ってたが、いやあ。今までの「繰り返す悪夢」の中でも、ワシこれが一番イヤだったかも。…いやあ。


序盤に「みな善人過ぎる」と評されていたほんわか部員たちだが、善人と言うよりは…エセ陰謀ロハスというか狂信的健康オカルティストというか、とにかく顔にべったりと張り付いた笑みがどんどんとコワくなってくるですよ。あの小津さんが「親近感を持てる男」として認識されるの世界ですよ。そして状況はどんどんと王道カルト一直線。凄いね。そんな世界でさえどっぷりハマってってる主人公の人は流石の主体性のなさでありますな。


今回は今までに増して小津さんの献身性が出てたなあ。明石さんはほぼ象徴としての登場に留まってるし、ひょっとして「目の前にぶら下がってる好機」ってのはマジで小津さんのことなのか。それはそれは怖い話ではありますが。そして後半辺りの洗脳道場シーンの絵が特に良かったっす。何だあの踊る作画。エエねえ。


さらい屋 五葉・6話。ウメさんの兄貴分・センさんは強請られている。それは本人に決断力と根性が欠落しているからなのだが、しかしそれは普通の人間として当たり前のことだ。ラスト、彼は「最初からこうしていればよかった」とつぶやくのだが、そこまで割り切れるような人はなかなか、居ない。だからこそ、五葉の仕事も成立している…とも言えるのではあるが。スキマ産業ですな。


ウメさんと兄貴、複雑でめんどくさい事情を持つ二人だけれど、訥々と酒を酌み交わしつつ語ることもできる仲である。それは後ろ暗さの共有によるものだろうか。オトナのオトコの、ある意味深くてある意味ぶきっちょな二人の酒を見て、おキヌさんがキッチリ状況を把握してんのが頼もしい。こういうのはやっぱピュアなお嬢さんの役目よね。


ヤイチさんがどんな人か訊かれて「…川面を流れる落ち葉のような人でござる」と答えるマサさん。こういう一種クサい台詞の置き方は上手いな。思ったことは口に出しちゃう、ヤボで空気の読めない男なりゃこそ、の台詞ですな。