けいおん/メイド様/ハガレン

けいおん!!・3話。りっちゃんが毎度の気まぐれでドラムやだー! つっちゃう話。確かにザックリした性格で目立ちたいお人であり、後ろの方でカゲになっちゃうドラム仕事はそういう意味でのビハインドはあるでしょうなあ。周囲が割と適当に接してる中、一人で色々と(無い知恵絞って…うん、失礼やねワシ)考えたりなんかしちゃったりしてるユイさんは友人思いである。いや、部員の皆さんそれぞれに思ってはいるのですけどね。とにかく、ユイさんは行動にタメがございませんから。ええ。


タメがない、ってことは同時に裏表や嘘がない、ってことでもある。一周回ってやっぱドラムがエエよなってときにユイさんが言う、恥ずかしげもないあからさまな賛辞と同意。ストレートなその言葉はまァ、ユイさんなりゃこそやねえ。


りっちゃんにとってドラムとは何なのか、という割と深そうなお題のお話であり、実際彼女にとってそれは特別な概念である、ということが直截的な表現を避けつつ語られる。もっとシリアスな方向に振ることもできただろうけど、うん、この程度のさりげなさは今のりっちゃんには合ってると思う。ふと「しばらくドラム叩いてないな」と思い、何となく興が乗ってそこらのモノを叩きだすまで、という一連のなんでもないシーンがかなり良かった。シメのシーン、すげえ嬉しそうなりっちゃんの横顔と画面上部の広い空間の構図がカッチョエエねえ。特別でありながら、日常。


会長はメイド様!・3話。かいちょの属するメイド喫茶にはいろいろと企画が発生したりする。今回は妹萌えデー、その次は戦隊デー、だそうな。…なんかこう、あの業界も大変ねえいろいろと。性格的にも続柄的にも「妹キャラ」と対極の位置にいるかいちょの人は苦悩するのだが…というね。何だかんだでお仕事自体に向き合うようになってきてんのが面白いな。あの腹黒姉さんは、会長の「カネのためにやってんだ」っちう態度が気に入らんかったりしたんかね。でも「アニキ」っちう呼称もアリっちゃアリだと思いますぜ姉さん。特にかいちょみたいなキャラの場合は。ニッチですよニッチ。ダメっすか。


んでもって今回もウスイさんのクールでオサレなお節介によって事態は丸く収まるのではあるが、クライマックスの駄目押しはあれ、なくもがなのネタではあったなあ。いやお二人にとっては親密となる重要イヴェントなんだろうけど、流石にウスイさん、うざったかったっす。Sなんやね。んでもってかいちょは隠れMなんやろね。多分ね。


それにしてもウスイさん、「相手(主に会長)を壁と自分ではさんで壁に手をつく」っちう技を多用しはるなあ。マンガやアニメではよう見るけど、あれって相当な威圧感がある気がする。ま、イケメンなら何でもエエんでしょうけど。あと店長の愛生さんは…三十路でしたか! うん、アリ! それはかなりアリ!


鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST・54話。マスタングさんは仇敵のエンヴィーさんを追い詰めるも、周囲は彼を制止する。復讐と憎悪に凝り固まり、復仇の快楽に身を任せること…それは、彼の如く走り続けてきた人間にとって当然の精神活動である。しかし彼の大望に対しては全てを投げ出さねばならない。友の仇討ちすら諦めねばならない。何故なら、それが他ならぬ友の願いであろうから。…ってことで、OPとEDのリソースも使っての盛り上げ回ですなァ。


しかしまあ、仕込みによる予感どおりの大舞台/大芝居を貰ったねェ、エンヴィーさん。暴れ倒して無様に負け、最後の手段の「言葉の毒」も通じずに、存在自体が人間への嫉妬(エンヴィー)であると悟ってこの世を去る。…台詞の回想で彼の人間についての悪口雑言を連打し、ああそうか、そんなに彼は人間に執着していたのか…と判らせる演出が上手いなあ。負のオーラバリッバリのマスタングさんの演技にキッチリ吊り合う芝居だったと思うですよ。


そして地上では筋肉対決。こっちもなかなか気持ちよいカタルシスの盛り込み方でよろしい。ハッキリ言ってアームストロングさんへのムチャ振りに近いんですけど、まァあの人なら…そしてオリヴィエ姐さんが保障してくれんのなら何とかなるかなあ、とか思わせてくれますわな。ふむ、ラスト近くへの盛り上げ話としてかなりボリュームのある回でした。よし。