DTB/ささめきこと

DARKER THAN BLACK -流星の双子-・8話。執拗にヘイたちを追ってくるロシアン役人さんたち。その尖兵としてのターニャさんは、スオウさんとの過去の関係性を覚えている。友人であったこと、一緒に遊んだこと、夏の日、プール、水。しかしその記憶は単なる事象の羅列でしかない。その時どう感じたのか、どう楽しかったのか、は判らない。…ターニャさんはそれを取り戻したいのだろうか。多分彼女自身にもよく判らないのだろう。


シツコく繰り返されるプールというイメージは、多分かなり周到な意図を持って配置された要素でしょうな。それは無意識や記憶の象徴であり、界面を隔てての「別世界」であり、また直截的に触感等の感覚を励起させる装置でもある。感情を思い出せないターニャさんが、戦闘の最中に水ぶっかけられてフト動きが止まり、あるかなきかの追憶表情を浮かべる…というね。その直後にスナイプを受けてプールに浮かぶのだが、さて最後の最後に過去の記憶を得たことは彼女にとってのささやかな幸せだった、のでしょうかなあ。


…にしても、軍服に身を包んだ人形のようなロシア美少女で、でもヤルことといえば大量のゴキブリを操ること…っちうまあ、ターニャさんは面白いキャラではあるよなあ。ここで退場するのはなかなかにもったいない。


ささめきこと・8話。以前よりチラチラと見切れては百合っちいものに過剰反撥していたデコメガネさんの話。当然ながら彼女は百合傾倒者であるが、あからさまで堂々としたトモエさんたちの行動には我慢できない。つまりまあ、耽美文学少女なのね。てことで、更なるめんどくさい人颯爽登場、である。一方の風間さんは、村雨さんのアヤシゲな関係(誤解)を見て何故か泣く。村雨さんはヤキモキするが、なんと風間さんにも自分の泣いた理由が判っていない。…ま、いろいろとね。


デコメガネのアオイさん。自分の是とする世界に依存しがちで融通の効かない、見た目どおりの近視眼性…という言い方が悪ければ、一本気な性格がよく出てたエピソード群でしたな。こういうキャラじゃないと「趣味が合うわね私たち!」なんてな台詞は出てこない。この「ね」という、相手に同意を求めるような間投助詞がめんどくささ倍増である。…一騒ぎの帰り道にすっ転んで道にぶちまけたカバンの中身の、そこはかとない「寂しさ」こそが彼女の内面でもあろうて。


今回はまた、登場人物たちの何気ねェ仕草やフリが自然に付与してあって眼福。冒頭のモブ三人娘さんたちの話し方のタメとか、あんな動きするよなあって感じで。階段の踊り場で倒れつつ野郎たちにつんつんされてるアオイさんの絵とか。何気にひどくてよし。あとファンジンって言い方も久々に聞いたなあ。ちとノスタルジックな響きがあったりするな。