マジンガー/ザムド/ヴァルキュリア/ハガレン

真マジンガー 衝撃!Z編・6話。熱海強襲は一応の終結を見る。家屋や人員の損害は何とか抑えられたものの、結果として兜甲児は収監の身となる。さて、これからの展開やいかに…という。今川監督らしい「その場の効果を最大限に重視したハッタリ展開/台詞」は健在で、甲児さんだけがブタ箱入れられてるのに特段大きな理由は無い、ワケだ。…あのアゴ刑事、なんか俗っぽくていけしゃあしゃあとしてそうで、エエね。


まずは安穏とした現在状況を見せ、その後で熾烈な戦闘を回想する、という構成。EVAの2話がそんなんでしたな。とりあえずは無難に描写してるな、と思ったが…光子力ビームのドスゲエ効果にちとやられた。 最弱モードで山一つを吹っ飛ばす…うわあ。これ、スペシウムとか波動砲とかの最終決戦技に近いな。どうやら光子力がガジェットの軸のようなので、そういう役割を与えられてんだろうけど。


…あと、ほとんど落っこってくるだけのグロイザーにちょっと涙。監督ってホンマ、ロボットに「山の如き重厚さ」しか求めてないのだなあ。


亡念のザムド・5話。放浪の迫害少数民族としてのナキアミさん、極東の島国野郎としてのアキユキさん。なにやら現在の状況や先の展開を匂わせるのがメインの回だった、かな。今は感情を抑えている「泣き止み」さんが、麦人ジジイの船から帰ってきた後に寝床で泣いていた理由。今んとこちっとも判らんが、その後ろっかわに根深く広い事情がありそうな、そういう雰囲気の出し方は上手い。


繊細居士…いやその、焼け出されて世を呪う少女を使って生体兵器とする軍部。それまで陰鬱に降っていた雨が、異形と化した少女のあっけなくも冷酷な死によって晴れ、虹まで空にかかる。美しく爽やかな風景とやりきれねェ無常さを同居させ、曰く言いがたい後味を残すヤリクチ、相変わらずヤらしいなー。ええぞ。


さて、あのメガネ兄さんも新たな道筋を進みだすようだ。いずれはアキユキさんと対峙することになるのだろう、ってとこか。あと上記の生体兵器、結構な重量の「モノ」が異様なパワーで動き回る怖さが、逃げるメガネさんのリアルな走り方/体重移動作画との対比でもって非常に良かった。


戦場のヴァルキュリア・6話。戦線を離れて他愛なくもお安い軽コメディ。ウェルキンの「秘密」を暴こうとする鳥打帽記者さんとそれを妨害するアリシアさんの話。テンプレートとフォーマットにキッチリ乗っかったお話でそれなりに見やすくもあるが、それだけ、って感じもする。もうちょっとどっか、過剰だったり突出してたりフザけてたりする所が欲しいなあ。お行儀が良すぎるといいますか。


軽みや安っぽさはある程度意識的な演出であり、それは「喧嘩となれば皿やコップが空を舞う」とか「情報を欲しがる記者さんが聴診器でドアを探る」とか、今時のお方やおまへんで、っちう描写を重ねていることでも判る。…その軽さがあまり生きていない、ちうか普段から結構チャラチャラした話なのでイマイチ対比できてない、ってとこがちとアレなんだけどね。羽ブタさんに馴染んでるらしきお嬢さんが焼肉を凝視しつつ喰ってる、っちうネタはちょっと好きでしたが。うん。


あとやっぱ、周囲の連中がウェルキンを認めるに至る要素がまだ足りてないのもな。これはおいおい積み重なっていくことではあろうけれど。


鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST・6話。故郷に戻りて一息つく、その前に賢者の石の秘密を握る町医者に出会う話。やはりちょいと忙しなく、これとて普通のアニメなら2話程度に分割するんと違うかな、ってとこではある。チャッチャと進んでテンポはいいんだけどね。


そうなあ、全体のペースが速くて「余計な遊びや隙間が無い」って感じなのもそうだけど、ちょいと振り返ってみると、第6話という序盤にしてはかなり大掛かりな状況を扱ってるんだよなあ。これは多分今回のアニメ化による変更じゃなくて原作からしてそうなんだろうけど、普通ならもうちょっと「国家錬金術師としての仕事や失敗やドラマ」を数話ほど見せて、そういう基盤があった上で展開するであろう…ような話を、作品スタートとほぼ同時にやってるような印象がある。ちと窮屈なんだよね。


そうなると、兄さんの墓参り道中で知己に出会い談笑する絵とカットバックで状況を語る麻生美代子さん、というシーンも「何とか自然な形で詰め込もうとしてんのかな」とかいう目で見てしまう。雰囲気も話も別に悪くないんですけどね…特に内海賢二さんの楽しげな様子とか。うん。