マジンガー/ザムド/ヴァルキュリア/ハガレン

真マジンガー 衝撃!Z編・4話。兜甲児は闘えない。何故ならば闘えば人が死に、そしてマジンガーが悪魔となるからだ。…ってことで今川監督の「エンジンのかかりの重さ」が出てるなあ、と思う。今までの監督の作品と同じく、ロボットバトルは基本的に重く、ゴツく、そして遅い。ラスト狂気の表情もてパイルダーに飛び込んだ十蔵ジジイが次週何とかしてくれればよいのだけれど。


てなワケでロボバトルの迫力はありつつも踏ん切りの悪い展開だったのだけれど、比較してジジイパートのバカ飛びぶりはかなりエンジンかかってきてますな。意味こそよう判らんが、補助操縦ユニットが仏像でできている、っちうヘンな絵面がとてもよい。そしてあの、「先生」とロケットパンチが瞬間的に交錯するシーンは文句ナシにカッコ良かった。あれは思わず「おっ!」つっちゃったよ。


亡念のザムド・3話。郵便船にヘタレパズーがやってきたの巻。ほぼ自己完結しちゃってるコミュニティに放りこまれて鬱屈する主人公がなかなかリアル、っつーかその主人公ぽくなさにイライラしつつクルー側の勝手振りにもイライラする。んー、こんな感じだよなやっぱ。ただまあ、このまま長いことギスギスしてても尺が足らんし、何かポコンと融和のための事件でも起こらないと、な。


月光号とタイガーモス号を足して二で割ったような船内/クルー描写は丁寧だけど、もうちょっと既視イメージから離れてくれるとありがたいような気はする。ま、それはワシ側の贅沢。命を救われたのを義理として労働契約と成す流れは…んーまあ、そんなもんか。ワシなら大量の質問を投げかけて船長に再度ぶん殴られるだろうけどね。


今回は空飛ぶマンタ型の敵クリーチャが良かったな。大量の空気抵抗を受けて翻る「重そうな飛びっぷり」が最高。…にしても、無敵兵器かと思えば割と簡単に落ちるのね。それともあれは、船長の得物が特殊だったのか。


戦場のヴァルキュリア・4話。正規軍からお荷物扱いされた後にその尻拭いをさせられる独立愚連隊の話。…うんまあ、あのヘタレ将軍のステロタイプなダメ軍人描写はヨシとする。壊滅までの流れが判んないしどこがどう無能なのかも判んないのもまあ、アリだ。でもなー、それを受けて「ウェルキンが叩き上げの部下たちに認められる」という話への繋がりがイマイチだったなあ。気付くと乗せられている、やる時はやる、それらの描写が薄いんですよね。割と部下の志気を下げることばっかしかしてないような気がする。ま、次週の戦闘で見せてくれるのでしょうけれど。


そしてやっと出てきた帝国の人たち。福山声のラインハルトみたいな人もともかく、初登場ショットでちちから回り込むという荒業を見せる大原さやかもともかく、ここは大塚周夫と明夫の親子キャストが見所なんだろうな。とりあえずまずはお父んから、って周夫お父さんって前座扱いかいな。…確かに、悪魔だの冷血だのと言う割に、基本的にはゴリ押しの戦闘しかしてないような感じでもある。台詞の人当たりと表現変えたら、割と普通の作戦ではないか? 違いますか。


…あと、男女の区別無くテメエのはだか見せては惚れさせてる同僚の人が何やら別方面に頼もしくて、それはそれで良いです。戦闘でも何かかんかやってくれるのを期待。はだかでもイイですが。


鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST・4話。キメラを専門とする錬金術師に会うエルリックブラザーズ。その邂逅は兄弟にとってどのような糧となるか…あるいは、瑕となるか。てことで、すでにワシの見たことある範囲を越えてしまいましたのであり、こっから純粋に楽しむことになるワケですな。


さて。犬と少女の楽しき日々をカットバックに苦悩する男…っちう絵面だけで、ははあこれはキッツイことになりそうだな、てな予想を裏切らない展開。この1話で充分に成立した構成ではあるんだけど、やはり「前作よりも詰め込んでいるであろう構成」っちう予断が働くからか、この内容の重さにしてこの尺はちょっともったいない、てな感じだなあ。あと、コンパクトにまとめられると犬や少女の「物語的部品」な雰囲気が出ちゃうってとこもあるな。


国家錬金術師という地位と名誉に拘泥し、また経済的/科学探求的な要請によって禁忌を犯す男。台詞によってちゃんと布石は打たれてんだけど、その辺は彼の生活や態度や日々の積み重ねで見せてった方が打撃力は高かっただろうしね。原作ファンや前期アニメファンの立場からはどう見えていたんだろう。


ま、そんな個人的事情を別にすれば、ようできた悲劇譚だったと思いますが。カチッとした画面の雰囲気は流石にエエ感じやね。