シャンバラを征く者

積ん読…積ん観録画を消化しとこう週間の一環として、劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者も観了。ハガレンアニメは第一シーズンは数話しか見てないが、まあ少々エエやろ。二期は全部見たし。


えー、んで本編ですが、何というかハガレン映画というよりは、脚本の會川昇のカラーが濃厚に出たオリジナルアニメとのハーフって感じですな。夢と現実、世界と個との対立っちういかにもなテーマもそうだけど、ラスト近辺でゲストヒロインのノーアさんが「下半身を血に染める」っちう判りやすいイコンでもって懊悩を吹っ切ることを示してるとか、もうかなり會川印のあざとさだと思った。んでもってそんな感じで全編が進むので、ちょいと陰鬱なトーンが強い作品になっちゃってる。これ、ハガレンファンからしたらどうだったんだろうね。


ま、ワシ的にはかなり面白かった。大戦間期のドイツっちうなんかもうフェチい舞台に、トゥーレ協会だのフリッツ・ラングだのルドルフ・ヘスだのが絡んでくる、という仮想歴史ネタだもんねえ。そらワクワクするよ。時代がかった兵器や小道具も目に楽しくてよし。ナッターみたいなロケット航空機が出てくるんだけど、時代に合わせてか羽布張り複葉になってたのがちょっと可笑しかった。強度的に大丈夫かそれ?


お話としては途中、第一期ハガレン本編の知識不足からちょっと判んないネタとかもあったけど、それでもあの空中での離別シーンはかなりグッと来るものがあった。でもエルリック兄弟はあの後、ムチャクチャめんどくさい時代を迎えることになるんだよなあ。「痛快冒険活劇」とはいかないことに…って、第一期ハガレンもそんな感じだったのだろうか? 知らんけど。


作画は映画らしくとても豪華。アバンのロマさんたちの歌シーンはちょっと不経済に動かしすぎとちゃうかとか思ったけど、後半のバトルとかは文句無く素晴らしい。美しい。…作画監督逢坂浩司の名前見て、ちょっとシンミリしてしまいましたよ。


てことで楽しかった。この設定でもう一本話作って欲しいくらい…って、すんげえめんどくさいからできひんやろけどね。