●シャングリ・ラ・2話。謎の砲撃は呪海より来たる。その主体は政府軍でも反政府組織でもない謎の人ォ、…多分自然そのものですよ、という話。奇妙な世界の観光というか紹介というか、いろいろ見聞させてくれる展開は面白い、んだけど…。作画がもう不安定になりかけてる上に戦闘やアクションシーンの見せ方にあんま緊張感が無いので、1話に比べると少々求心力に乏しい感じ。まだまだこれからだとは思うけどさ。
超絶なる投資プログラムに人格を与え、生命の危機を与えることで高速化させてるとか、反政府組織が政府の富くじで一喜一憂してるとか、なんかヘンなディテイルは相変わらず楽しい。とりあえず、こういう定番から逸れたオカシミがある限りは良し。それが切れた時に話とキャラで引っ張ってけるかどうか、ですかね。
あの天子様みたいな人はウソを見抜いて人を殺せるらしい。使いでのありそうな属性付与ではあるけれど、従業員にはそんなことくらい事前に教えとけよなァ、とは思った。ま、アレはデスラーがおべっか使いを落とし穴に落とすシーンの変奏曲程度に捉えるべきかしらね。
●新番組・東のエデン。神山健治が羽海野チカの原作を映像化…っちうワケじゃなくて、完全オリジナルなのね。とりあえず、なんかモヤモヤしたものを裡に抱えつつも割とどうでもよさそうなお嬢さんがイケメンちんこ王子様に出会うまでの話。ちぇー、イケメンはえーよなーちんこ出してても女の子と仲良うなれてなー。いや出しているからなのか？ まいいや。
記憶喪失に動じずにテケトーに動き、手回り品から自分の正体をいぶかしむ主人公。ボーンアイデンティティじゃんなあと思ったら自分でそう言いやがった。映画の記憶は消さなかったってことですな。良いことだ。とは言え、彼…滝沢さん（仮名）の行動術は、本家ボーンさんの「訓練と技術の賜物」というよりはどうも「そういうキャラ」である雰囲気が濃厚である。この行動イケメンぶりにも何か理由はありそうですがね。
てことで、なかなかヘンなツカミの第一話で面白い。IGっぽい教科書的な「上質さ」があるし、期待してみてみよう。…お嬢さんの行動原理を解題してるダイアローグのような、ちょっと説教くさい方向性がちゃんとエンタテイメントになるとエエんだけど。まあ。
作画も上々。羽海野さんのかわいったらしいキャラの雰囲気を持たせたまま立体的に動かす技量は大したものだし、また朝早い時間帯の冴えた空気感がよろしかった。BGもそうだけど、キャラの影のつけ方と色彩が上手いんだよな。…あと、カイル・クーパーっぽいOP映像だけど、ソコハカとなくGITS風情なのがIGやね。
●新番組・リストランテ・パラディーゾ。毎度ながらよう知らんまま「ちょっと小粋なレストラン群像劇か何かかな」と思い、ヘンな店ながら飯も上手いし雰囲気もいい…っちうとこまではそんなもんとして見てたけど、「従業員は老眼鏡着用が義務」ってとこでやっと悟る。老眼鏡フェチの枯れ専クラブの話だった。要するにまあ、「出奔したオヤジがワガママで立ち上げたメイド喫茶に文句言いに来たらメイド長のお嬢さんに惚れちゃった純朴青年の話」だすな。
確かにマンガとしてはアリな設定だろうが、アニメの地上波でこういう割とニッチな嗜好の作品が出てくるようになるとはね、と何故かちょっと感慨深くなったりする。おじさん連の立ち居振舞いや全体の色調、そして会話の間合い等、雰囲気を出すために割と惜しみなく労力が注がれてるのはよく感じられるな。冒頭のゲームっぽい街並みCGのアングルはどうかと思ったけど。
メインおじさまに山野井仁。エエ声の人ではあるが、今まであんまし主役級のキャストは見たことなかったので素直に嬉しい。その他脇もシヴ目の声質で揃えてアーリ。折笠富美子のお嬢さんは毎度ながら卒がないなー。デカいお口の女性という絵は割と好み。
んでまあ、そのアレだ、確かにワシの守備範囲のアニメじゃねえわなあ。質は上々なようなのでちと惜しいが、流石にそこまでの酔狂は無くなっちゃったわ、ワシ。予告で早速押し倒されつつ「困ります…」ちうてるおじさまが気になるが、まいいや。謹んで正しき視聴者の手に委ねよう。
…んで、合間のCMとして桃屋のごはんですよをやってんのは老眼鏡つながりのネタか何かか？ CM中ではドラゴンボールとタイアップしてたけど、リスパラの方がタイアップ元としてはしっくり来るぞ？ ローマのレストラン行ったら従業員がみんな三木のり平（CV:三木のり一）で、メニューは海苔の佃煮飯だ。どうか。ダメです。そうですか。
●…待てよ。よくよく考えると、この日見たアニメはシャングリラにエデンにパラディーゾ（パラダイス）だと？ …ほほう。ではこの地域のこの日は「アニメ理想郷曜日」と名づける。
