カイジ

逆境無頼カイジ最終話。指と耳と全てのカネを失ってしゅーりょー、のカイジさんである。このどうしようもない終わり方はいかにも福本らしくてよろしい。また、ただぼろきれのように負けるだけではなく、周囲が「ああ、調子に乗りすぎた」という後悔をする中一人だけ「俺は勝てた!」と泣くカイジさんもそれらしいよな。


会長の言う王だの運だのの講釈は、その本質である「勝てる勝負しかしない」というイカサマと読みの深さを考え合わせると(この世界的には)なかなか奥行きがあることだ。ま、話の都合っちゃ都合なんだけど、「王」としてのキャラ立ちがすげえからなあ。もうアンタが正しいっすよ、と思います。


総評。アカギの成功を見て確信したこの企画だろうけど、うん、所期のスペックを出し切ったってとこじゃないですかね。原作のクセというか味わいは少し薄まっていたが、その分テンポと勢いがちゃんと整備されててとても良いハッタリアニメになっていた。各々のギャンブル自体は、原作の流れをそのまま持って来てんので安定感あったな。


あとは萩原聖人。アカギでは存在感はあったもののクールキャラなので「あんまし演技力いらないよね」てなとこもあったのだが、このカイジでは叫び泣き戸惑いィのの体当たり状況が圧巻じゃった。いや、キャスティング者の功績でもあるよなこれ。立木文彦津嘉山正種をはじめ、脇のゴッツい演技者も良うございました。ん、白竜も尻上がりに良でしたよ。


…続編やるようだが、さてどこまでやるのかしら。あんましダレないうちにエエ感じで終わってほしいもんだとは思いますが。