顔がデカイは親譲り

●ヘッドライトが方っぽ消えている自動車を見る。ワタシらがガキの頃はまだたまに見かけてたけど、昨今はお車の信頼性が上がったのかあんまし見かけない故障状況だなあ。あるいはどっかでぶつけてきたばかりとかかしら。


しかし片側ライトの自動車って、こうして見てみると一種独特な不安感がかもし出されてますね。いや、視界が暗くて危ないという不安だけじゃなく、何か普通の自動車には無い「異形っぽさ」があるような。多分それは、車の正面部分を無意識に顔に見立ててることで「片目の顔」のような印象を受け取っているからだろうな。んー、サガットとかルガールとか? さあ。


●人は「点が二つ横並びであり、その下に何かがある」という形に対しての反応度が高いのですよ、そして隙あらばそれを「顔だ」と認識しちゃうのですよ、これを称してシミュラクラ(類像)現象というのですよ、とかいう話を初めて聞いたのは確か日本版の「OMNI」誌でだったと思う。街でみかけた顔みたいなもの写真集のコーナーとかあって面白かったんですよね。こないだよゐこの深夜番組で似たようなのやってましたな。あれ。


そういう図形に特化して反応する回路があるってのはまあ、判るわな。人や動物の顔があったら真っ先に反応しなきゃ、場合によっては命に関わったりしてきたのだろうし。そのおかげで回り回ってワシらは二次元に欲情できるのであるのでああ良かったなあ。良いのか? 良いとも。うん。


などと言いつつ、「東京ゴッドファーザーズ」に多数仕込まれてた「顔みたいな家の風景」は言われるまでちっとも気づかなかったワタシなんですけどさ。人の認識って案外ニブチンなのでは? ワシだけか。そう思って見返すと明らかに顔にしか見えなくなるってのも不思議なんですけどね。