ハガレン/生徒会の一存

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST・26話。エンヴィさんは圧倒的な戦闘力とともに、その構成要素として「一国の人民まるごと」というリソースと外装を持つ。なんかジンメンみたいやな。泣き、苦しみ、笑うかれらの顔を見て当然ながらエドさんは怯んでしまう、のだ。ま、主人公だからねえ。


結局エンヴィに呑み込まれてしまうエド兄さん。ははあなるほど、強大な敵に打ち勝つには内部から破砕するっちうヤツか、と思いきやそうではなく、絶体絶命の瞬間に突如この閉鎖空間からの脱出法を思いつく、という展開。そしてそのリクツとは「自身を一旦バラしてから再構築する」という、うーんなんかサイバーな手法だぞこれ。物理的ファックスですな。


毎度ながら少々急ぎ足の展開だが、話の転がし方が(ワシ的に)興味深いので普通に楽しんだりした。サブ扱いで進むマスタングさんとか中国娘さんとかのエピソードも、そこそこオイシイ要素があってヨシ。あんな状況下でブラッドレーさんを「閣下」付けて呼ぶマスタングさん、という絵面とかね。あと、真実空間にて失われた弟の肉体と一瞬の邂逅、強制的に引き剥がされたと思ったら根性で棄て台詞のエド兄さん、というシメ方はつなぎとしてなかなかだなと思った。長めのスパンの興味と次回への期待の双方に目配せしてる良いつなぎですよ。


…にしても、とくにエド兄さんは弱点要素が多いよなあ。今回の弟の肉体もそうだし、死んだ母とか救えなかったキメラ娘とかなんとかかんとか…。ま、それだけ主人公の背負うべき重責は大きいってことか、な。


●新番組・生徒会の一存。アバンにて判りやすく提示してあるとおり、ジャンル内にあってそのジャンルのパロディのみで構成されている、というタイプの作品。…自己言及したからってその欠点が免罪符になるとは限らんし、またそれは自家中毒につながる道でもあるのだが、まァ…ねぇ、こういう作品の場合はそんなのヤボってもんでしょうしねえ。


ただちょっと、映像と声優演技のついたアニメ作品となると(これも作品内で言及してたが)、おふざけという要素にはどんどんと「わざとらしい雰囲気」が付与され始めるからなあ。「ドラマCDで充分なのにね」ってのはワタシにとって、あまりギャグになってなかった。


…あとまあ、単純にワタシの守備範囲から外れたジャンルのパロディだった、ってことも大きいかったです。要するにただワシの方の問題ってだけやね。謹んで正しい視聴者の手に委ねるべきっぽいな。