曲面的話題

●ワタシが住んでるところはちょいと郊外気味で、少し行けばいくらでも山っぽい地形があるような土地である。よって、夜景による街明かりを鑑賞する分にはそれほど場所に困らない。ゴージャスなのは当然高いとこから見下ろす夜景だけど、平地から見る傾斜地の灯火なんかも案外風情があるものだ。住宅地が整然と並んでたりするのでね。


日中の風景と違って灯火による夜景となると、具体的な遠近感が失われてかなり抽象的な風景となる。ぐぐっと上方に湾曲しつつ並び立つ家々の明かりを見るたびに、あースペースコロニーの風景ってこんな感じに近いのかなあと思う。持ち上がる大地に並ぶ人跡、そこに生活する人々。生きている内にコロニー風景の威容を一目でも見てみたいものだなあ、と思うよ。


王立科学博物館のモリナガ解説絵で、コロニー人(アムロみたいの)が地球の空を見て「宇宙までイケイケなので怖いのであーる」と感じる絵があったけれど、アレはワタシでもよく判る感情であるなあ。寝っ転がって空見てるときに「今ワシ宇宙を直視してんのだ」と思うとなんかドキドキしましたよ? 地球重力様々であって我が魂は引かれっ放し。


●小学生の頃図書室で読んだガキ向け翻訳SFにあったので著者や作品名は不確かなのだが、土星の輪の上で作業する人たちの会話で「この土星の輪って少し上方に反っているように見える」「それは当然だ、だって我々人類が見ることのできた最も平坦なものは地球の風景であり、それは僅かに下方へと曲がっているものだったのだ。その記憶もてこの究極の平面を見れば上方へ反っていると誤認しても仕方がない」というのがあった。


この壮大さというかSOW加減というかはガキのワタシにとってかなり印象的でしてね。ホンマにそう見えるか否かはともかく、その発想がエエやないですか。確かに目に見える十万キロ以上の真っ平ら面なんてのはとんでもない構造物のような気がする。てことで、これも生きている内に一目。ゼヒ。