アニメ夜話のパト映画本

BSアニメ夜話パトレイバー回の本を読む。これが三冊目なのかな。確かカリ城ガンダムは読んだ覚えがある。BS環境じゃない(し、某tubeでも断片的にしか見られない)ので、こういう媒体はありがたい。


んでどういう本かというと、一言で言えば「押井守欠席裁判」ですな。パトレイバーについて何をどう語っても結局「あの犬の人はどういう野郎なのか」って話になってしまうのがなんかすげえ。その観点から一番離れた視点を持っているのが国生さゆりなんですか、やっぱし「おじさんたち」のおたく視点的毒牙にかかってしまうのであった。わははは。


岡田斗司夫出渕裕大森望宮台真司というまあ、コッテコテな面々によって語られる押井像は、当然ながら一面的なものではある。群盲象を撫でると言いますが、それしか方法が無いならば、お互いに撫でた感想を言い合うことで実像に近づくしかないワケで。あるいはアレだ、立体が二次元世界を通過する時のカゲで全体像を類推する、ってヤツ。余計判りにくいので却下。


流石ギョーカイの第一人者たちだけあって、それでも見てるほうになんとなーくまとまった「押井像」が見えるような気がするのが大したもんだと思う。その像を「図」とすれば、反対側の「地」に当たるのが国生さん(と乾貴美子さん)の言明だよな。東京を徘徊させられる刑事のあのパト1のシーケンスに「現場の人は大変だよね」という意味を見出すなんざ、押井ベッタリの人にはできねえ芸当ではあります。これを受けて岡田の「現場人物好きとしての押井」と宮台の「大域的構造好きとしての押井」がブツかったりするのだけど、それはそれで面白かったり。


俳優は文句言うので押井は仕方なくアニメやってんじゃねーか、という指摘は判りやすいなあ。アヴァロンはその過渡期の作品ってワケね。あと、案外乾さんがキーになることを言ったりして、そういうのも面白かった。てことで面白かったし、機会があったらまた買って読もう…って立ち読みかい!


…あ、マンガ夜話の岸和田博士回も読みたいです…。アレ見逃したのはつうこんのいちげきであった。ああ。