本話

●劉慈欣(リウ・ツーシン)「円」読了。帰省した際に暇つぶしにしようと世間で話題の(周回遅れ)「三体」を買いに行ったら、田舎の本屋にはそれが無かったので代わりに買ってきた短編集。噂通り才気みなぎるアイデアの宝庫と言ってよろしくて、一方で繰り返…

帰省とバイファムのムック本

●両親に呼ばれ、スケジュール調整して帰省する。弟も呼ばれてるとのことでなんか家族会議的なことかしらと思ったら「もう大概トシなのでいっぺん顔合わせときたかった」ということだった。まあそら確かに、年齢的にそらねえ。 弟とは20年以上ぶりに会い、私…

虚実妖怪百物語

●京極夏彦「虚実妖怪百物語・序/破/急」読了。タテだかヨコだか判らんステーキのようなすさまじい分厚さにしてスルスル読めるってのは相変わらず。物語は水木しげるを親玉とし、荒俣宏と京極夏彦本人が番頭を務める妖怪バカのギョーカイ人たちが加藤保憲/…

銀齢の果て

●筒井康隆「銀齢の果て」読了。もうすごく単純に「老人バトルロワイヤル」である。ホントにそれ以上でも以下でもない、作品中に社会風刺や主義主張もあんだけどそれは単にジジババ殺し合いというテーマのための補助部品に過ぎないという、いつもの筒井作品。…

空洞地球

●ルーディ・ラッカー「空洞地球」読了。ラッカーと言えばぶっ飛んだセンスでありながらベースがきっちりとした科学ネタであるのが特色のヘンなおっさんであるが、この話は19世紀中盤の米国が舞台でフィーチャーされてんのがE・A・ポオ、ってとこで他の著作と…

ハンターズ・ラン

●マーティン&ドゾワ&エイブラハム「ハンターズ・ラン」読了。共著者の一人ジョージ・R・R・マーティンの「タフの方舟」を読んで面白かったのでこれも読んでみようと買ったもの。えー、物語の舞台は開拓惑星サン・パウロ。フリーランス探鉱夫のラモンは、とあ…

フーコーの振り子

●ウンベルト・エーコ「フーコーの振り子」読了。これもだいぶ前にいっぺん読みかけてたんだけど挫折してたもの。今回改めて読んだらなかなかおもろかった。前回のつまづきはごく序盤、主人公のカゾボンさんがパリ工芸院に潜んでいろいろ怯えてるあたりのあま…

ディファレンス・エンジン

●ギブスン&スターリング「ディファレンス・エンジン」を再読。以前読んだのはもうだいぶ前、学生時分だったが当時はなんかピンと来なくてほとんど印象に残っていなかっが、今読んだらこれ面白ェなー。ストーリー自体もほぼ忘れててすごく新鮮、当時のワシは…

折れた魔剣

●ポール・アンダースン「折れた魔剣」読了。アンダースンは「地球人のお荷物」シリーズとかタウ・ゼロとかのSF系しか読んだことなかったのでファンタジィは新鮮。元が1950年代初翻訳が70年代と結構古いお話なのだが、体裁がかなり骨太のファンタジィであるの…

耳嚢

●学生時分に買った、根岸鎮衛「耳嚢」を読み返している。怪談っぽい雰囲気の類似名書籍が出たりしたので誤解されるかもしれんが、これ自体にはあんまり怪談や恐怖譚っぽい要素は実はそれほど多くない。基本的にはお奉行さんが職場やなんやで耳にした、どうで…

鍋奉行犯科帳

●田中啓文「鍋奉行犯科帳」読了。こないだ読んだ「ハナシがちがう!」シリーズが割と面白かったのでこっちも読んでみようと買っといたもの。お話は江戸時代の大坂、新たな奉行様が着任されたがこのお人ってのが大兵肥満の豪快おっさんであり、普段はズボラか…

ゴルゴン

●タニス・リー「ゴルゴン」読了。それぞれ動物やら幻獣やらをモチーフとした短編集。時代もテイストも結構レンジが広く、いろんな味を楽しめるのは短編集のエエトコではあるが、しかしやっぱこの人の表現力、特に修飾語の幻想性はとんでもないものがあるな。…

プロバビリティ・ムーン

●ナンシー・クレス「プロバビリティ・ムーン」読了。あらすじ文なんかを読むと宇宙戦争っぽい話だが、実際のところはファーストコンタクト…いや最初のは済んでるからセカンドコンタクトというか異文化交流というか、そんな感じのジャンルに近い。敵役たるわ…

ダンシング・ヴァニティ

●筒井康隆「ダンシング・ヴァニティ」読了。ある美術評論家の中年ちょい前くらいからその死までの人生を描く話、なんだけど筒井康隆なので素直ではない。数ページくらいの短いエピソードが一区切りで、これをちょっとずつ改変しながら数回繰り返し、その積層…

笑酔亭梅寿謎解噺

●田中啓文「笑酔亭梅寿謎解噺」3巻までを読了。「ハナシがちがう!」シリーズちうた方が適切なような気がするがまあいい。上方落語界にムリクリ放り込まれた元ヤンキーにして現パツキンモヒカン落語家が主人公のお話で、謎解噺というとおり一応はミステリな…

タマスターラー・その他

●タニス・リー「タマスターラー」読了。インドを舞台としたファンタジィ、それも過去現在未来を全部包括した短編集という、割とこの人以外では書かれないんじゃないかなってなジャンルの作品。毎度ながらロジックに囚われない、耽美な雰囲気の中にも表層じゃ…

ダンジョン飯

●本日の成果。やっと本屋の店先で見かけたので購入。 Wizというかローグというかダンマスというか。丸丼鯨子(とてもおいしそう)もとい久井諒子さんのかつての作品の多くがネットで見られなくなってんのは残念だけど、まあそれはしょうがないかな。ちなみに…

ひとりっ子

●グレッグ・イーガン「ひとりっ子」読了。割と年代順に並べてある短編集であり、時代が進むにつれてどんどんハナシが長くなってんのが(そういう風に編集した本であるにしても)おもしろかった。あー、書くことに慣れてきたはんねやなー、みたいな。傾向とし…

ゲームウォーズ

●アーネスト・クライン「ゲームウォーズ」読了。最近はとんと読書もしてなかったんだけど、こないだのアメコミレオパルドンネタをネットで見てたら「クライマックスでレオパルドンが活躍する米国SFがある」という話があっておもしろそうなので買ってきたもの…

ニンジャスレイヤー

●「ニンジャスレイヤー」読了。評判を聞いてネット連載を読んだ経験はあるものの、ついったで物語を追うのにどうも不便を感じてそのままになっていたので、今回の書籍化は割と渡りに船。これで慣れて勢いついたら改めてネットで追っかけようかな、っちう思惑…

モンスター大図鑑

●通勤途中に見かけたので購入。 ドラクエのモンスター大図鑑。前にも言うたと思いますが、ワシこういうカタログっぽいものを見て過ごすのが大好きでしてね。世の奥様方が通販冊子見ながらアレコレ愉しむっちうのと類似の行動様式かもしれない。 カバーあけた…

時間封鎖

●ロバート・チャールズ・ウィルスン「時間封鎖」読了。ある日地球が謎の黒い殻に覆われ、宇宙の時間の流れから取り残されてしまう。地球で一年過ごす間に外の世界では一億年が経過するってんだからただ事ではない。人の一生が終わる前に太陽の寿命が尽きてし…

世界の中心で愛を叫んだけもの

●ハーラン・エリスン「世界の中心で愛を叫んだけもの」読了。今まで読んだことなかったのだが古本屋で見つけたので買ってきた、のがもう数年前。そのまま本棚の裏に落っことして忘れてたのを見つけた、のが一月前。んで読了しました。 いまさら言うまでもな…

極大射程

●スティーヴン・ハンター「極大射程」読了。今は引退した伝説のおっさんスナイパーがワナに嵌められたけど、その圧倒的な人間力でなんとかする話。まァワシの読書傾向としてはあんまりソレっぽくないジャンルの小説でもあり、感想も「なんかすげーマチズモで…

ディアスポラ

●グレッグ・イーガン「ディアスポラ」読了。人々が人格全てをサーバ上に「移入」し、電子的存在となった時代・社会を舞台にしたお話。人々はタイトルそのままにやがて地球をあとに宇宙へ、さらに「その先」へと拡散してゆくのだが…というね。 解説の言うとお…

老人と宇宙

●ジョン・スコルジー「老人と宇宙」読了。宇宙は「そら」と読み、まあ老人と海のモジリですな。ネット連載してたSF小説が人気になって出版された、っちう経緯を持つ作品のようで。それかあらぬか、各章ごとにちゃんと面白いシーンや要素を律儀に盛り込んでて…

虐殺器官

●伊藤計劃「虐殺器官」読了。ちょい未来の世の中にて、ただそこに居るだけで虐殺のタネを撒き散らす謎の男を追う特殊部隊が主人公の物語。ジョン・ポールという何だか聖職者の親玉みたいな名前の、「虐殺の王」の意図は何か。っちうね。 設定も道具立ても舞…

魔法

●クリストファー・プリースト「魔法」読了。「奇術師」がなかなか面白かったので読んでみたのだが…いやまあ面白かったんですが、うーん、これのネタバレをせずに感想を書くのは難しいな。奇術師もそんな感じだったんだけど、話の構造的に一本すげえデカいバ…

わが名はコンラッド

●連休。ここしばらくは仕事の密度が薄くそこそこ楽チンだったのだけれど、それでも二連休は一月弱ぶりであってうーんのびのびするぞ。折角だしあんまし動きたくねェので(それは別に連休だからではない)、夜はメシ作らずに外に喰いにいこうかなー。外食はホ…

ブラック・ローズ

●ナンシー・A・コリンズ「ブラック・ローズ」読了。バンパイアハンター、ソーニャ・ブルーシリーズの外伝っちうか特別編っちうか、そんな感じの本である。何やらTRPGとのコラボ小説のようで、へーえそういうのもあるのか。原作者御自らそういうのにガッチリ…