ノエイン/ケロロ

ノエイン最終話。大団円。「宇宙消失」というイーガンそのまんまの事態を前に(消失のギミックも似てるな…ある意味裏がえしだが)、それぞれのヒーローはそれぞれの場所で、持てる力全てを出して世界を救う。どれが真の救世行為だったか、ってのは意味のない問いだろう。因果が一つ方向に流れてゆかぬ世界だ。時空は巡り、そして全ての事象は等価である。(…「火星人ゴーホーム」っぽくもあるけどね)


人がお互いを確認しなければ、世界はその構造を保ち得ない。見事な人間原理の解題じゃないか。神はサイを振り、そして良い目を出すに決まっている。それは良い物語だから。人がその目を/物語を選び、確定するのだから。


個人的には、ハルカの墓前で微笑むユウの絵が千両だったなあ。「あの交通事故シーンが全てである」という物語的な誘導をバツンと断ち切る絵。そうよな、人ってのは記憶のカドを落としていくものだよなあ。忘却とも言えるし、そう認識することによる過去改変とも言える。あのシーンが「現実感」の素晴らしい代弁者だったと思う。


総評。まずは一言、良く描ききった! 素晴らしい。量子力学観測問題というめんどっちい素材を、上手く物語の根幹に絡めたなあ…と感心してたが、それではまだ片面でしたねえ。このアニメはそっから先が本質だったな。その作品観が出来上がった、その上で何を語るか、という軸足にブレがないのが見事だったわけだ。


そしてあの絵! 繰り返すが、よくもまああのスタイルで半年描ききったものだ。これにはホトホト感心する。深夜とは言え地上波の2クールモノですよ? ありえねえ。これはゼヒ映像資料を購入したいなあ。


あと一つ。「物語の謎や伏線を、ちゃんとその場のエンタテイメントとして提出する」という語り口が貫かれていたのにも賞賛を送りたい。これはアッタリメエの事なんですよ、本来は! しかし最近それすら出来てねえアレやコレやの作品があったので、尚更目立ったのよ。


うん。良いアニメでした。多分、今後も何度か思い返すような作品だと思う。


ケロロ軍曹。ガルル小隊完結編。今回はエヴァパロディ回ですな。ギロロにアスカ役を振ったのは赤色つながりなんだろか、やっぱ。


いやー、今まで2話の出来や質も良かったけど、これは3話が持ってっちゃうわなあ。今まで1時間分もタメてタメて、ばあんとハジける大衆演劇的定番話。ケロロの復活シーンで「ケロッ!とマーチ」が流れた時にゃ、ワケもなく感動しましたですよ。「総員、適当にやるであります!」…ああ、ケロロ見てるなあって実感が。


絵的な密度も充実してて、大いに楽しめました。3年目も頑張って欲しいもんだ。うん。