BBB/XXXHOLIC

●新番組・BLACK BLOOD BROTHERS。吸血鬼モノらしいってこと以外情報無し。OP見てなんとなくダムピールが主役なのかなと思いきや、そういうワケでもないみたい。


初回ってことで状況の説明と主要登場人物のご紹介。腰は低いが異様に強いというキャラ付けの主役がなかなか。弟さんの容赦ない痛めつけられっぷりもバカで楽しい。イヤミの無い絵なので見ていてストレスは無いですかな。


でも、ちょいと焦点の定まらない話運びだったような気がする。プロローグの挿話がインパクトも説明も不足気味で、構成的に疑問に思った。カッチョエエかも知れんがなんか自己満足的に見えてさ。ヘリボーンしてきた特殊部隊みたいな人が偉そうにぱーぱーくっちゃべりつつ、中途半端に引き上げちゃった(ように見えた)のもなんかな。


まあ、総じてよく出来た第1話ではあったと思います。ちょっとワタシのノリには合わないような気がするので、次回以降見るか否かは微妙ですが。


XXXHOLIC・最終話にして番外編。幼少時のワタヌキさんは謎の友人に出会う。早々にネタは割れちゃうんだけど、幼き日のちょっと不思議な懐かしさとほろ苦さがよく出てて上品ですな。こういう雰囲気は短編ならではですな。ですな。


見紛うことなき宮沢康紀絵が横溢しててヴィジュアル的にも満足。ドタバタとした動きもエエけど、異形を祓うあの光球とか、ああいうエフェクトはどうやって思いつきはんのかね。


総評。最後まで独特の雰囲気を崩すことなく押し切ったのは見事。耽美で退廃的で、しかし切ない味わいは他に求めがたいオリジナルの味であった。…まあ、この極端なデザイン設計が上手くいってたのかどうかは…。いや、正しい資質で作画されてる限りはすごく効果的だと思いますよ? でも、一瞬でも崩れるともう大変。そこら辺の品質管理の見通しが少々甘かったのではないか、と思った。


…あと、個人的にどうもこの作者の作劇法って苦手なんですよね。全ては必然である、ってのはフィクション作品においてはアッタリメエであって、ならその「逃れられない必然」というのをどう魅力的に見せるかだと思うんだけど。登場人物が人事を尽くし、あるいは考え尽くすかあるいは周章狼狽するか、そこまでやっても結局逃れられない運命…とかね。


この作品の場合、初期条件が提示された時点でキャラはそのことに対してほとんど疑義をさしはさもうとしないし、またすごく単純化された行動しか取らない。そういう作品だからっちゃそうなんだけど、どうもキャラクタが物語に隷属させられてるように見えて「この先どうなるのか」というワクワク感が萎みますねんな。物語構造にしても、大概が侑子さん(=脚本執筆者)の情報開示加減一つじゃん、って感覚が最後まで付きまといましてなあ。


そういうところを求めている方が無茶な話である、って言われるとその通り。無いものねだりでやんすかね。そんなワタシであっても見つづけられたという味わいの方こそ、賞賛されるべきかも知れまへん。はい。