ダンジョン飯/怪異と乙女と神隠し/ザ・ファブル

ダンジョン飯・22話。黄金郷を出てドワーフの遺構へ、そしてグリフィンとの遭遇。この作品は毎回ダレ場も少なくキッチリと構築されてんのだが、今回はまたいつに増してエピソード盛りだくさんであった。その上でせせこましい感じもしないのはホントに偉い。なんてことなく見えてこれ、脚本会議に相当リソースかけてんなあ。

メインはグリフィンとマルシル使い魔の戦い。この辺はトリガーの面目躍如で、ダイナミックな空中戦描写が実に眼福。その下でマルシルさんが使い魔制御でバタバタやってんのも楽しい。つーか使い魔かわいい。このゆるキャラ落書きみたいなデザインいいなあと思いつつ、既存の生物の文法から逸脱してるとこはまあ、ライオス気に入らんだろうなってのも判ります。…使い魔操るのに視覚情報などがオーバーレイされて混乱する辺りが妙にリアリティあるなあ。同時にこんなもん複数並列処理してるシスルがどんなけ凄いかってのも。どうだい12チャンネルで4機バラバラに動かせるんだ、ってヤツっすかね。

次回はセンシのバックボーン話ですね。このエピソードのキッカケを作るのがチルチャックさんで、お互いのコミュニケーションを取ろうってんでまず自分から口を開くのがすごく大人であり、チルチャックというお人なのよね。地に足のついたキャラ造形ではあるよな。

細かい感想:ライオスがダブルヘッドドラゴンつくろうとしてたシーンで一瞬だけゴジラっぽいSE入れてたのがいいおふざけだった。あの程度の秒数ならオッケーなのかな。

●怪異と乙女と神隠し・8話。Aパートはかつて出会った本屋の女主人について。壁の破れ目から路地を進んで行き当たる古い本屋、というシチュエーションがすでにある種理想化された「本の夢」みたいなもんで、この辺は本読みみんなの(いささかガキ臭い)共有妄想だろうな。子供の頃に行けたその破れ目が今のカダラではケツがでかくて通らないので、董子さんのユニークスキルで子供化して通り抜けたら廃墟でした…という。フェチいサービスシーンであると同時に、異界との境界を越えることの典型的なギミックである楽しさもある。幻想掌編としてよくまとまってんじゃないでしょうか。

本屋の主・書籍姫に三石琴乃。こういう立ち位置のキャラが板につきだしてもう結構になりますな。玉心院/書籍姫ってのは実際に在る伝承のようで、検索してへーって思いました。

Bパートは今後の展開への準備話かな。乙ちゃんのご学友であるのどかさんと、彼女の推しらしき人魚姫VTuberさんが登場。あと乙ちゃんはシズクさんとこでメイドカフェのお手伝い、と。この流れだとVTuberさんが怪異である/怪異化するのかなあ。そういや前回のケツに出てきたねこの人はどこいったんだろ。

ザ・ファブル・8話。まずちょっとズレたことやりながら「これが普通の生活だ」と認識し、昨日と変わらない今日を希求するアキラさんを置く。それと対置されるのは直前のストーカー同僚と直後の死体廃棄ヤクザの各シーン。流れ的にはアキラさんのささやかかつヘンテコな日常が後者によって侵食されるってとこだろう。両者を繋ぐのがどうやらミサキさんの後ろめたい過去、というね。いやあ…これはどうしても、アキラさんにスッキリとスイープしてもらいたいとこだけども。さてねえ。

ヤクザ側の動静、小島アニキの暴力先輩気質はそれに取り込まれてしまえばある意味で楽なんだろうな、と思う。クロさんは多分そういう構造に適性があるんだろう。高橋くんは…下手するとこの小突かれ後輩位置で固定されてしまいそうな雰囲気もある。そして本人がそれをよしとしちゃう場合もあるのが、まあねえ。

一方の日常?側、いかにもコマシなユウキさんが登場してあっという間にヨーコねーさんのお遊びターゲットになる。この一連の本当にどーでもいいシーケンスが無茶苦茶面白くて参った。原作シナリオの上出来さは前提として、ヨーコ/沢城みゆきのおっそろしい演技もたまらん。そこに堂々と対峙する梶裕貴という…名前で選んだワケじゃないだろうが、このくらいの押し出しが必要だったんだろうなあ…。梶くんはこのカンサイキャストの中にあって東京出身ってしんどそう。同じ境遇の大塚明夫花澤香菜が戦友になってしまう。あとアキラさんのヘタウマ絵才能エピソードとかジャッカルのバカドラマとか、うーん…原作が人気あるの判るなあ。面白ェわこれ。