宇宙海賊/宇宙兄弟

モーレツ宇宙海賊・24話。海賊集会にかけつける弁天丸、されどその前に立ちはだかるはグランドクロス号。彼我の差圧倒的なこのビハインド状況を、忙しくも的確に指揮するマリカさんはホンマにかっこいいぞ。そらチアキちゃんも「大好きなキャプテン」とか言っちゃったりしますよねそらしょうがないよね。うん。…この辺の戦闘シーンはこの作品にしては結構なサーヴィスになってて楽しうござった。大量に被弾しつつもキワキワの「股くぐり」ですり抜け去って行く緊張感やよし。

後半は海賊集会にたどり着いた弁天丸クルー、の中に居るスパイさんの話。今まで着実に積み上げてきたケインさんへの疑惑を逆手に取り、実はルカさんが黒幕の手先でしたーっちう切り返しが鮮やかだった。確かにケインさんのボディダブルも謎が残るが、その辺のディテイルをエエ塩梅で全面に出すことでルカさんの普段と異なる要素から視聴者の目をそらす、レッドヘリングの手法が見事です。リリカお母んがあのヒゲ仮面んとこに居たし、ケインさんズもそっち方面なんだろうねえ。…やっぱし、マリカのお父ん(リリカの旦那)なのかしらん。

あとまあ、クーリエさんの衝撃ですかなあ。メガネ取ったら美人とかそういうのもともかく、あの美人描写自体が古い! 古いよ! ワシは実に楽しいからエエけどさ! 美人状態のままラストワードだけヘンな声になってんのがとてもよろしかった。堀江由衣さんはワキに居るときの方が好き勝手演技できてエエんじゃないだろうか。

●おや二階建て、モーレツ宇宙海賊・25話。最終決戦へ向けてのツナギにしてタメの回。ルカのホンマモンがあっさり帰ってきてたり敵の首魁たるクォーツさんが乗り込んできたり鉄の髭がやっぱし親父っぽくてケインと偽ケインは双子だったりそこにリリカおかーさんが絡んでたり、とまあ結構いろんなイヴェントが発生していたのだけれど、交通整理が上手くてごくごく自然に流れを追っかけて見ることができたな、って感じ。

その上でそこここにちょっとしたコメディネタを放り込んでいくという、余裕のある制作姿勢がいいよね。海賊会議でタイマン話し合いになったら何故か暗転してスポットが当たり、クォーツさんがその照明を気にしてるとか。あと普段モードのクーリエが他の船の電子戦担当に大人気、っちうのはよう判ります。ギークとしてはコッチの方がエエよねエエよね。「真実を見ている」からかどうかは知らんけど。

…ちうかまあ、そんなこんなの出来事を全て吹っ飛ばす、ラストのチアキちゃんマリカさん歌唱ショーが卑怯すぎるわな。クールに見えて持ち上げられるとノリノリになっちゃって、後で心底後悔する…という、チアキちゃんの魅力が満載であった。てかメチャクチャ気合の入ったレコーディング行ってますが、一体どこまでおだてられちゃったのか。ヒラヒラの服着てスタジオのマイクの前で「キラッ」とかやってますな…うん、これは寝床で布団かぶって叫んじゃいますよな。10年20年後忘れかけたころにまた映像流してチアキちゃんまっかっかにさせたい。花澤さんの微妙なお歌も破壊力高くてよろしい。

宇宙兄弟・14話。閉鎖環境試験も5日目、そろそろ折り返しの状況である。我らがムッタさんのチームは他の所と比べて「賑やか」であるそうで、それはまあ何となく構成面子を見れば納得するとこであります。しかしこの後はどーなるか判んないなー、とか思ってたら早速のアクシデント、京大霊長類研のやっさんが最年長福田さんのメガネを踏み割ってしまう、というね。

てことで今回のメインキャラは福田さん。穏やかで年齢を感じさせない彼であるが、その背後には別れた妻と娘への思い、そして自分自身の宇宙への夢がある。家族問題についてはケンジさんも同様の話をしていたが、確かに単純に済ませられるようなものじゃないだろうな。演出や雰囲気は「それでも夢に生きる男」として肯定的に福田さんを描いているが、何となく…そうねえ、宇宙に魅入られた人間の「業」のような、ちょっとダークサイドっぽい要素が読み取れんこともない。というか、娘さんの側視点からしたら明らかにそうだよね。この試験に臨む上でそれまでの宇宙開発業務を辞してきたという気合話も、そんな業を感じさせるような気がしたりする。

来週また時計破壊アクシデントとかあるムッタさんチームも然りながら、他んとこも気になりますな。どうやらギスギスしてるらしいケンジさんチームはどうなっちまうのか。ケンジさんならこういうの乗り越えられる(であろうキャラ的立ち位置)と思うのだけど、さてねえ。