リベンジャー/吸血鬼すぐ死ぬ/虚構推理/ヴィンランドサガ

●REVENGER・9話。劉を救ったことで利便事屋の一統は案の定危機的な立場となる。惣二の言うように、単純に淡々と利便事をやってりゃこんな面倒なことにはならなかっただろうけれども、ね。相反する義理と人情に挟まれて…ってのは裏稼業舞台の作品には定番ネタですわな。義理が重たいってのが建前だけに、人情を取っちゃう矛盾がドラマを生む。まあそのドラマってのは大概ビターエンドなのだがねえ。…この利便事パーティ、頭脳役として幽烟さんだけじゃなく徹破さんが居ててまだ良かった、のだが作劇場はその二人どっちかを排しても進められるというシカケでもありそうなのがなあ。

最終的に長崎会所と礼拝堂がラスボスとなるのは間違いなさそうで。ま、利便事屋が一矢報いて滅したのち、それキッカケでさらに上の…幕府なり教会上部なりが丸のみでなあなあとなる、ってのが落し処だろうかしらねえ。人としての在りようが異質なニオさんがなんかジョーカーのような気がせんでもないけども。…諏訪部だけしれっと生き残ってニヤニヤと去りそうだなあ…。

●吸血鬼すぐ死ぬ・9話。AパートはBBOの世界。なんでも叶う夢の世界でバカがどうするかというとバカなことをするという話で、その解決法がクレバーなバカさでとてもひどい絵柄であった。いい話だなあ。Bパートは野球拳とマスターとコユキさん。この期に及んで千葉繫がここまでレギュラーとして存在感のあるキャラやるってのもなかなかスゲエアニメではある。Cパートはご真祖様通常運転、つまり周囲は大わらわの話。極限まで削り取られる他愛のない悪ふざけという、当事者はたまらんが見てる方はとても楽しいバランスがこの人(?)の身上ですわな。その計り知れない面をあのY談おじさんがまるきり歯が立たない、ってとこで見せるのも効果的。そしてチラ見せのヘルシング…これ、今期アニメで登場してくれるのかしら。どうかしら。

●虚構推理・9話。関係者を一堂に集めて語られるのは虚構の推理、されどその前に「整いすぎた各人のアリバイ」について。彼ら全員が母親を殺すためにアリバイ工作をしていたが、その前に父親(がお願いしてしまった妖狐)によって殺されたお陰でキレイすぎるアリバイが残ってしまった…という話。変形オリエント急行というか何というか。琴子さんは彼らの「法律的には問題ないが後ろ暗くはある」過去を言語化/表面化することで、今後の本題についてのセッティングをする。京極堂の憑物落しに近い感じですかね。気になるのはリオンさんの立ち位置で、今のところ一番本件への関りが薄い。このまま視聴者代弁の傍観者のまま終わる、のかねえ?

お子さんのもう一人はてらそままさき。江川央生内田直哉・てらそままさきの兄弟ですってさ。怖ェなあ。あとおひいさまの品性は相変わらずである。嬉々として壺洗い言うな。

ヴィンランド・サガ・9話。あらゆる苦難の無い平和、かくあるべき妄想…からはるかに隔たった、死と苦しみと痛みが常在するヴァルハラと共に在る、それがトルフィン。彼の「父」はトールズとアシェラッド、表と裏のその二人。彼らがトルフィンに示すそんな「ヴァルハラ」から、トルフィンは踏み出そうとする。今まで彼が負ってきた全ての命と共に。…昔からある「不良がちょっといい事したら認められる」ことに対するパンピーからの不満、それを極限まで蒸留したものがこのセッティングと言えようかなあ。本邦の不良半グレヤクザ連中の誰よりも、無辜の大衆を殺し奪い蹂躙してきたトルフィンが今、どのツラ提げて他の人生を生きようとしているのか。…この時代にそぐわない価値観を持ってしまった…っつーか、この時代に漫画/アニメのキャラとして描かれてしまったのが運の尽き。それは多分、とてもとても険しい道になるだろう。エイナルが横に居る、それが支えになるのだろうか。…うん、まあ、そんな話でした。重たーい。