昭和元禄落語心中

●新番組・昭和元禄落語心中。正式には助六再び編というサブタイが付いた二期である。一期より一年を置いての再開であるが、「これまでのあらすじ」を与太さんの高座噺でおさらいするというシャレた趣向によってすぐにあの空気感を取り戻す。前シーズンは序盤に与太さんメインの昭和後期、中盤から後半を八雲と助六メインの戦中戦後という時代設定。今期はまた十年ほど飛んで昭和の末期、バブル時代にて真打と相成った与太さん…いや、三代目助六が主役に帰ってきての語り起こしですな。…どうでもいいけど関智の石田モノマネ、似てんな! 

さて。相変わらずヒネたジジイである八雲と誰の子とも判らない息子抱えてモヤモヤと生きてる小夏姐さんを向こうに回し、我らが助六師匠はエネルギッシュに走り倒すのである。単純で考えが足りないように見えて、その実図太い芯の通っている三代目の存在が実に暖かい。最後に「何のために落語をするのか」と聞かれ、言下に「もちろん、落語のためでス」と返せるなんざァ気持ちよすぎるわな。…テーマとして落語という存在がいかに「生きるか」というのが通低しているようだが、八雲が死を現すなら助六は生である。なりゃこそ、波乱万丈は多かろうけれどねえ。

落語に詳しい作家さん、樋口先生にもう一人の関である関俊彦。あー、あの弟子入り断られてたお人か。どうやらこの人も表面の下には何か鬱屈抱えてそうだが、どうでしょうね。えー、てことでこれまた本当に楽しみなシリーズが開始であって楽しみにしてます。願わくば助六師匠がいろんなゴタゴタを吹っ飛ばしてくれますように。ムリかなあ。