うしおととら/ジョーカーゲーム

うしおととら・29話。冒頭はキリオさんたちの状況を見せといて別行動とし、今後の展開に備える形。そして本編はまずヒョウさん、そしてその怨敵たる字伏…紅煉の登場。今回はこのほぼワンテーマだけで見せる形になってるので、もうちょっと喰い足りないなという感覚はあるものの割と見やすく仕上がっていたかなと。

今回はそれぞれのキャラの演技が特に印象的だったわなあ。まず紅煉の若本さん、こないだも書いたけどワンポイントじゃないちゃんとした「悪役」ってのは個人的に久々だったので、割とわくわくしながら見てました。人間時の情けない演技もいいし、堂々たるワルモノである紅煉状態でもいいし、やっぱ得がたい演技者だなあ。そしてうしおの畠中祐、クライマックスでの息継ぎ息遣いまで拾ってくるあの演技は音響監督の意向だろうけど、すげえ生理的な「力」が感じられて感心してしまった。

あと演技じゃくて絵の方だけど、ヒョウさんが紅煉さんを見るあの表情…あー、やっぱ藤田マンガのキャラってのはエエ笑いをしよりますなあ。怖いよ!

ジョーカー・ゲーム・3話。あー、やっぱ佐久間さんは一応アレで退場なのか。んで今回の主役は梶さん声の…ええと本名波多野さん、いやこれも本名かどうかは判らないけれども。しかし彼は冒頭、いきなり頭部強打により一時的な記憶喪失となって右も左も判らない。そんな不如意な状態で、ドイツ軍侵攻下のフランスにてレジスタンスと危機一髪な状況を切り抜けなければならない…というそんなような話。

序盤の展開、何故か自分に備わっている剣呑な能力に訝しさを覚える、ってのは「ボーン・アイデンティティ」のノリやね。そんな状態でもキッチリ苦難を切り抜けるように「無意識下に要諦を刷り込んでおく」ってのはちょっと都合が良すぎるが、まあ30分枠でカタをつけるお話としては妥当なとこではありましょうな。実際掌編的なまとまりはなかなかよろしくて、ダレさせることもなく話を提示してくるヤリカタは上手いもんだと思いました。…都合がいいというかちょっとベタというか、粉塵爆発とか「暗いところに入るには片目を瞑っておく」とか、そういうアリネタっぽい感じは多分わざとなんだろうかな。尺を考えて、ってことで。