●ザナドゥシナリオIIという古いパソゲーのボスキャラ名の元ネタは文筆家である、ってのはこないだやっと気付いたことです。ザナIIにはラスボスのキングドラゴン(ガルシス)入れて11体のボスが出てくるが、そん中でファンタジィ定番っぽいレベルなのはグレートクラーケン・ホワイトドラゴン・レッドドラゴン・ヒドラくらい。残りは聞いたこともない面妖な名のモンスターばかり。ゲーム中最初に出会うボスキャラからして、長いカニ脚が4本とハネの付いたゴムマリというワケ判んない外見の「Marivoux」という怪物である。何て読むんだよこれ、ってね。悪いことにというか、定番っぽい名の中でペリュトンだけはちょいマイナーであり、なんぞの本で見かけて「あっペリュトンってモンスターがちゃんと居るのか。ははあ、てことは残りのヘンな名のモンスターも多分どっかの伝承にあるんだろうな」とか思ってしまったワシである。…このペリュトンもボルヘスの著作が元ネタらしいんだけどねえ。
んで、最近ふと「そういやアレに出てた二刀流でトカゲ頭の怪物かっこよかったけど、あのスペルってブザッティって読み方で良かったんかな」と思って「Buzzati」で検索、それで初めてこの固有名詞が作家名であると知る(ついでにブッツァーティと読むらしいとも)。そーだよずっとザナIIのことなんて思い出しもしなかったけど、今はこの電子検索網があるじゃないかってんでくさぐさ検索して、ああ…アレもコレも作家名だったのか…ってなったワケだ。上でも書いたMarivouxは(ちょっとスペルは違うけど)ピエール・ド・マリヴォーちう18世紀フランスの作家。Boiardo:ボイアルドなんかすっげえボスキャラっぽい名前だけどコイツは「恋するオルランド」を書いたルネサンス期の詩人。Borges、Guin辺りは言われてみればボルヘスにル・グィンそのものだけど、気付かんかったなあ。ダンゴ虫とカマドウマのあいのこみたいなZschokkeに至っては日本語版ウィキペに名前が無い。ハインリヒ・チョッケっちう有名な劇作家らしいんだけどね。
何でまたそんなとっから名前を引っ張ってきたんだろう、ってとこだけど…まあ、当時のスタッフさんがハマってたとか、あるいは単に語感かノリだろうなあ。てことで、オチも何も無いけど、たまたま検索して今頃知って「へーっ」っと思ったのでここに書いておく。ネットって精密性はともかく、即時の疑問の取っ掛かりとしてすっげえ便利だと改めて思いました。
ちなみにそれ以外のザナドゥの元ネタに関しては、ちょっと検索すると割と詳細に元ネタ解説してる方がいらっしゃるので興味あればどうぞ。イツァムナー(イザムナ)だのカマソッツ(ケマゾツ)だののマヤ神話ネタは知ってたけど、AD&Dから大量に(かついい加減に)引っ張ってきてたってのは知らなかったし、その上でザナドゥ版の解釈が日本に定着してたりして、いろいろと面白い。