キャプテンアース/ジョジョ

キャプテン・アース・19話。砂漠の戦いを何とか切り抜け、次は基地施設で輸送機を奪って種子島に帰らなきゃいけないご一統である。うへえこりゃ大変だなあ、と思ってたらそのミッションはアバン終わって十数秒後には完了してました。魔法少女アカリちゃん、ちょっと頼りになりすぎる…。

てことで本編は輸送機の三人とソルティドッグ無人インパクター、二勢力のバトル。今回の敵・サラマーエンジンの「悪役メカ」っぷりがなかなかのものでして、巨大な体躯に直線的なザクレロみたいな顔つきにビット攻撃に、というキャラの立たせ方がベタで上手い。攻撃力もガタイのデカさも我らがキャプテンチームとの差がアリアリなのを見せつけた上で、ハナさんのインパクター・ブルーメのとんでもねェ押し出しで一気に印象を逆転させるのもよろしい。なんかアレね、小さな魚が大きな魚に喰われててそいつももっと大きな魚に…という入れ子構造のポンチ絵みたいだ。

そしてブルーメが単なるデウスエクスマキナではなく、一旦その中に入って一体となってしまったらもう、ハナさんは船から出る事も出来ないという覚悟の行動であることが示される。彼女を救い出せるのはキャプテンだけ。それも確実なものかはっきりしない、のだが…まあキャプテンのことだ、絶対何とかしてくれると信じてるぜ! 「キャプテンが居ない世界ならば別に戻る必要なんかない」と言い切るハナさんと同じくな! …以前ハナさんはキャプテンに「自分はみんなが思っているような存在じゃない」と言って自己を卑下していたが、そんな必要はない。彼女のいかにもたおやかな外見の下にある確固とした意志、そういうギャップこそを誇りなせェ。いいよね、ギャップ萌え。

一方のパックさんはなかなか前面に出て来ないが…どうやらラスボスっぽい立ち位置にでもなりつつあるのか? ナンパして振られてる場合じゃないぞ永遠の存在とやら。

キャプテン・アース・20話。前回決死の覚悟でブルーメに入ってってしまったハナさんであるが、さあこれから救出のための話を紐解くのかしらと思ったらアバンで解決してしまった。あっという間だな! いいけどさ! んでもって本編は敵本陣に突っ掛けてゆく大作戦を前にその前哨戦でしょうか、我らが宇宙基地にソルティドッグと遊星歯車の魔手が同時に伸ばされるというお話。つってもソルティドッグは例のメガネ兄さんなのでどうもその、危機的な対象としての格がちと足りないって感じはいたします。その辺含めてのメガネさんではありますね。

そしてアイドルのアイちゃんさんは、メガネに先を越されたのでその状況を確認してから来週の活躍でしょうかな。本性はあいっかわらずいちいち邪悪な笑みを浮かべてハナで嗤うようなキャラなんだけど、一日司令としての行動はアフターフォローを含めてほぼ完璧でありさすがアイドルやなあと思いました。ことこういう芸能的オシゴトにおいては、遊星歯車として開眼してからの方が幸せっぽくはありますな。そう考えると裏表のある人格も、まあ世のアイドルの典型としてアリなのかもしれん。まいいや。

地上と宇宙の元夫婦司令ズが会話するシーン、純粋に演出上のものなんだろうけど、ちょっとエエ話しながら小山力也のおっちゃん司令がモニタ操作駆使しながらおもしろ効果出してるように見えるのがなんかおかしかった。沢海陽子司令もあくまで普通に受け答えしてるのが「まーたあのおっさんの癖が始まった」的に流してるように見えたりしてさ。あとハナとアカリの再開シーン、微笑ましくてええのだけど、ぴっちりのパイロットスーツで相対すると胸部の圧倒的な差異が強調されますねえ。アカリさんは別に気にしてない、っつーか一種の武器だと思ってるっぽいのがエエとこではありますが。

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース・18話、前回録画しそこねてたのでここで補完。VSサンでアラビア・ファッツ戦。原作でも元々短い話であり30分もつのかなーと思ったら案の定、結構オリジナル入れてきて尺を持たせてある。しかし戦闘そのものにだらだらとは使わず、話の間の補完にも描写を増やしてあるのでそれほど間延びした感じは無い。つーか自動車ディーラーでのシーンとか高級車購入のくだりとか、ジョジョのエピソードとして違和感無いよね。初見の人は多分、どっからどこまでオリジナルなのか判らなかったんじゃないだろうか。シリーズ構成が上手いんだろうな。

メインバトルは原作どおり解決一瞬なんだけど、確かにバレなければかなり強力なスタンドで、ひとえに本体のヘッポコぶりが敗因であろうな。一応声優設定してあったが、お声は最後の悲鳴だけだし、まァ兼任だろうけどね。戦闘というかその前段階、ジリジリとあぶり焼きにされてるシーンはその暑さ苦しさが出ててよろしかった。黒い空に白い砂漠という、ありえない色彩のコントラストはジョジョアニメならではで効果が高く、ムダに劇的なBGMも状況に合っておられる。つーかこの砂漠シーン、背景まるまるCGだったのか…。スゲエな昨今の技量進歩ぶりは。

あとは発狂もどきシーンの笑い演技、ここが今回皆さん最も気になってたとこの一つじゃなかろうか。結果、声優さんってスゴイね、ってことで…これ、演技の練習するのも大変やで。ここだけ編集した動画が出回りそうなヘンテコシーンでよろしい。あと全部終わって大川透の妙に力強い「ちゃんちゃん!」でシメるのが卑怯だ。そら笑うって。

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース・19話。VSデス13戦。全体としてホラー映画色の強い3部ジョジョだが、今回も「夢の中での恐怖と異常性」というかなり濃厚なホラー風味の話。夢とまやかしにより仲間の誰にも理解されないままどんどんと疑心暗鬼の中に落ちてゆくという辛いシチュは、パーティの中でもレベルヘッドでありマジメキャラの花京院なりゃこその被害担当役割ではある。これが承太郎ならムリクリの勢いでなんとかしそうだし、ジョセフなら策略でかわしそうだ。んでポルナレフにはあまりこういう虚実皮膜的なシチュは似合わんような気がする、っつーか夢がどうこうと急に変な事言い出しても「まあポルポルくんだしなあ」とか片づけられそうで、ねえ。

デス13による夢の遊園地のシーンは、ファンシーでホラーな雰囲気ならお手の物である荒木センセの独壇場ですな。犬の死体の傷口からムリムリと拡声器がひねり出てきて喋ったり、花京院を黙らせるために大量の目玉を口に突っ込まれたりという描写は、ガキの頃に見たら結構恐ろしいモンがあるんじゃなかろか。ま、少年マンガのコード上で許される範囲内のサイキックホラー風味ではありますが。

本体の赤ん坊・マニッシュボーイは大谷育江でしたか。赤ん坊声のオーソリティとしては流石に堂に入ったものでして、普段のあどけない演技なんかスゲエよね。そら確かに「スタジオで赤ん坊声の練習してたら共演者にマジ赤ちゃんが来てると間違われた」というエピソードもうなずけるってもんだ。最終的にこの声においてテメエの生産物でのマニアックスカトロプレイを強要されるとなると…うん、まあ、別にそれほど興奮しないな。何言ってんだろワシ。

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース・20話。デス13後編。夢の中での死という避けようのない恐怖とともに、真面目な花京院さんがその真面目さゆえに仲間から疑われ孤立させられるというダブルの苦境をもたらす難敵との戦い、ではあるのだが…。普通なら最後まで恐怖と不気味さの対象であろうデス13ぼうやその人にまで、律儀にギャグっぽいサスペンスを導入してるおかげで、どこかトボけた風合いが出ちゃってるのが面白いというか荒木先生らしいというか。実際サソリがらみのやり取りのシーンとか、完璧にマニッシュボーイ視点のハラハラドラマやよね。おもろいけどさ。

何でもありの夢の中という設定の割にちょっとハジけ度合いが少ないんだけど、普段は見られないスタプラスラップスティックなギャグ描写は純粋にバカちんでおもろいよね。なんか途中アンパンマンになってましたな。原作にあったっけあれ。

ラストは「アニメでやるかな…」とちょっと懸念してた幼児の食糞でシメ。いやあ、悪役が赤ん坊ってだけで昨今割とヤバいネタな気がするけど、ようやったよこの酷いオチ。流石に喫煙シーンはカットにしてもねえ。あと今回のキメ技であるハイエロファントの体内もぐずりこみ攻撃ですが、あれはあれで生半の敵よりもよほどホラーやよね。何回か使ってますが、やっぱ怖いよこれ。

…あ、次回やっとアブさんがらみの話なのか。よくよく考えたらイギーもエジプト9栄神も控えてるし、先長ェな!