●絶園のテンペスト・16話。前半はハネムラさん・ザ・絶園ウィザードによる劇場型マジックショー。ルルーシュのパチモンみたいなコスチューム着て、カメラの砲列の前で大パフォーマンスですな。まっこと、ハネムラさんのキャラからすると胃が痛い状況であろうて。後半ではずーっと風呂入ってぽんやりしてるし、こうなるとハネムラさんの人畜無害ぶりが却ってアヤシイレベルにありますなあ。ひょっとしてラスボス違うんかチミ。あるいは中ボス。
後半は村に襲い来るスパイの魔手の話、に見せかけて姫さまラブラブ話。いやまあ、この一連の事件は姫さまの後ろ盾たるはじまりの樹による茶番ではないか、はたまた絶園側のヨシノさんが裏で絵図書いてんじゃないか、みたいなメイン構造はあるんだけど、見せたいシーンっちゃアレだ、盛大に空回りしてはあたふたしてる姫さまが一番やよね。とうとう例のぐにゃぐにゃ背景もサモンさんから移譲してもろたみたいだし。それもピンクだし。
なんかこう、どいつもこいつも腹に一物抱えまくりなキャラばかりのこの作品にあって、ある面ではこの姫さまが一番ストレートなお人なんじゃないかって気がしてきた。あとサモンさん。
冒頭の回想シーン、アイカさんはヨシノさんを評して「怖い人」だと言う。確かにこの人の重層性はちと測りづらいほどであり、また本人がそのことに半ば無自覚であるのも厄介だと思う。そしてその「怖さ」はお話としての面白さに上手いことハマりこんでいる。…ゴリゴリの陰謀家でもない、典型的な悩める少年でもない、ヨシノさんの微妙さはアニメ主人公として独自のテイストではあるなあ。
