テンペスト

絶園のテンペスト・14話。サモンさんの言う「ヨシノを殺せるか」という質問は、そのヨシノさんが姫さまに惚れられちゃったことで間接的に世界の命運を握ってしまったことより派生する質問である。閉塞的なユートピアとなったこの世界で、不安定要素たるはじまり/絶園の二勢力の均衡をどちらに傾けるべきか。そして彼らの前に現れる、絶園側の魔法使…とまあ、結構マジな道具立てと展開ではあるんですけど、ねえ。

まずサモンさんたちご一統が「あけましておめでとう」な雰囲気下でおせちやおもち喰ったりなんだりしてるし、葉月姫さまはもう自分の恋心をどーしたものやら持て余してかわいったらしいし、今回焦点の絶園魔法使いも梶さん声のヘタレ兄ちゃんで「この世界が引っくり返ったら彼女も戻ってきてくれるやろか」とか言うてるし…という、なんかこう、実にこの作品らしい気の抜け具合である。いや気が抜けてると言うよりは、マジメな顔してバカやってる(そしてそのバカネタ自体もホントはマジヤバイ)、ってなデッドパンコメディの雰囲気が近いだろうかしら。

その絶園魔法使のハネムラさんとの初邂逅エピソードにしても、スタンド同士は引かれあうとかそういうことかと思ったらただの偶然であり、そして姫さま顔面キックも純粋にノリだけの突発行動だし、もうひどいなチミら! んでもって目の前で青年の腕がバキ折れたのに一顧だにせず触れもしないヨシノさんも大概である。姫さまの腕損傷には大声上げたのにね! …ハネムラさんの今後の心労が察せられることではあるなあ。とまれ、これからどう話が動くか判んないのであり楽しみにしよう。