偽物語/宇宙海賊

偽物語・10話。ツキヒちゃん担当話が始まってしばらくダラダラと(楽しい)無駄話が続いていたのだが、ここに来てずいっと話は進むに至る。「不死身の怪異の専門家」を標榜するヨヅルとヨツギのコンビ陰陽師さん、その狙いは俺かシノブか…と訝っていたアララギさんの意識をひっくり返す、ツキヒちゃんの正体。彼女はアララギさんの妹ではなく、陰陽師たちの狙うべき獲物たる不死鳥であった…というね。


正義と偽物という今回のシリーズを代表するターム二つ。ヨヅルさんたちは偽物を斃す正義の存在だ、と自分を表現する。人を騙して人と暮らす詐欺のような存在は滅するべきだと。ううむ、彼女の言葉が本当だとすると、アララギさんとしては「偽物」たる貝木さんとは全く異なる対策方針が必要なのだろうな。ちうか貝木さん、出てくるだけで場を喰うな! シノブさんが「ほれあの男」と指差した先でドーナツ喰ってるだけでもう卑怯なほどの存在感だ。面白すぎる。


初っ端のツキヒちゃんのおいろけ描写もよろしかったが、やっぱ今回はシノブさんとドーナツの戯れシーンが白眉だろうな。永い年を経た風情とちまっとした外見のギャップが魅力的な、そんなお嬢さんが満面の笑みでドーナツ喰ってるってのはやっぱあざとい。最近はストレートにかわいい役がご無沙汰気味の坂本真綾だけど、擬古体の饒舌体なあのダイアローグであそこまでかわいったらしく演技できるってのは流石の演技力。衰えねーなあ。


モーレツ宇宙海賊・10話。アバンから冒頭シーンにかけてはチアキちゃんのターン! ニセのマリカ船長役として、紛れもなく本物で正真正銘の「ノリノリ」で演技するチアキちゃんがとにかくかわいい。おーっほっほっほっほじゃありませんチアキちゃん。


えー、で本編は謎の幽霊船探しのまだまだ序章。しかし嵐の宙域にての砲撃戦は、弁天丸マリカ船長とそのクルーたちの能力を視聴者に示すに充分なイヴェントである。ノイズだらけのデータの中で複数出現した敵性要素を瞬時に見極め、ベストかつ意表をつく一手を叩きつけてすたこらさっさと逃げ出すに至る…つーかホンマ、個性もクセもあるが無能は居ない集団劇ってのは見てて心地よいな。エマージェンシーがあって三々五々ブリッジに集まってくるクルーの描写、その演出のバリエーションを見てるだけでも楽しい。どうやらグリューエル姫様も相当に肝の据わったお嬢様のようでよし…って次週お知り合いの登場ですか? この人もこの人でデキるんだろうなあ。


てことで、この作品にしては見た目にも派手なバトルでよろしかった。これでまだ単なる「ご挨拶」の鞘当てだってんだからそら先が楽しみだよな。こないだまでの練習船エピソードでワシが感じた期待感にキッチリ応えていただいた、って感じですねえ。うむ。