ダンタリアン/うさぎドロップ/夏目友人帳

ダンタリアンの書架・11話。アバンからいきなり、無茶苦茶ザックリした画面で一瞬ビビる。ブラウンを基調とした落ち着いた色彩、シンプルな描線でセンス良く動く作画。ははあ、これは異世界の話とかそういうことかしら、と思ってたらそのとおり、本の中の世界であったことがオチとして語られるワケだ。…本が紙魚に喰われることで、中の世界が災厄に見舞われる、っちうのはちと面白い。作品中でも言及してたが、壺中天を名乗るダリアンちゃんらしいシカケだと思う。


てことで、割と異色の作画回。ガイナ作品でちょくちょくこういう回を受け持つ小林治が演出・絵コンテで、よくコンビ組んでる堀元宣が(今回用の)キャラ設定と作監。原画にはその他、あーこーゆー感じよねーってとこが集まってて…荒川眞嗣や芳垣祐介や…湯浅政明かよ! すげえな! ぱっと見ィでそれっぽいとこが判んなかったけど、検索したら後半の煙とか虫とかのシーンか。あー、言われてみれば…。


いかにも幻想譚らしい話運びと演出で、非常に丁寧な雰囲気なのは流石に小林治っすね。こういうつや消しというか、ちょっと荒れた羊皮紙のような雰囲気が良く似合うお人である。ヘンな言い方だけど。…にしても、改めて不思議な経歴のおっさんではあるよなあこの人も。ドラゴンズヘヴンとかが最初の印象なので、BECKで(ワシが)再認識したときはどうも頭の中で繋がらなかったものねえ。うん。


うさぎドロップ・10話。りんちゃん風邪を引くの巻。それまで育児経験の積み重ねがなく、子供の病気は初めての大吉にとって、この状況はもうどうしたらいいか判らない。いや医者に行かせるとか休ませるとかその辺の常識的なことは当然判るが、例えば「熱でうなされた子供が薬も水もうけつけてくれない」時にはどうしたらいいのだ。…右往左往する大吉にとって、コウキママの存在は単なる心の支え以上のものがある。ああ無論コウキさんもね!


リンちゃんと大吉は、こうして一緒の経験を積み重ねてゆくワケだ。それだけでも十分に豊かな生活だろうけれど、ここにさらに…コウキさんたちが入ってくるとすれば、どれだけ世界は広がるのだろう。大人二人、多分お互いの裡には「そういう可能性」も見えているのだろうけれど…ね。ちうてたら今度はコウキママが風邪ですってよ! さあ大吉、ここで助けにゃオトコがすたるぜ!


結構豪華な作画連中がちょくちょく顔を見せる本作だけど、今回は西尾鉄也の名前がある。沖浦に井上に今回の西尾、これで昨今のリアル系アニメータが大概揃っちゃった話になりますねえ。何なんだこのアニメ。あと風邪の引き始めのリンちゃんを見た大吉の感想、「いつもより…濃い!」ってのがなんか判っておもろかった。うるうるっとくるよね。


夏目友人帳 参・11話。田沼事件a.k.a鏡クエストの巻、後編。割れてしまった鏡のカケラを集めて回るご一統である。クエストのお約束としてちゃんと障害となる妖怪も出てくるのだが、そいつはあまり重要な役割でもなければそれほど強くもない。主眼が鏡ではなくその過程、友として付き合うこととは何だろう、っちう点にあるからだ。向こうさんのともがら関係がちょいと人間くさすぎるような気がせんでもないが、まァそれはよろし。ラスト希望を持たせつつもその後どうなったか判らない、というシメは余韻があってよろしいな。


夏目、田沼、タキ(と先生)のパーティでクエストをこなす流れなのだが、ちょっと踏み込んだ話になるとタキさんがどっか行かされてしまうってのがなんかこの作品らしい。別に表立ってヤオいわけじゃなく、とても落ち着いた描写ではあるんだけど…まその、あからさまに邪魔者っぽい雰囲気のタキさんが少しかわいそうだったりした。あ、登場人物はみな温かいんだけど、話運びそのものが彼女を邪魔扱いしてるっちう意味ね。


田沼さんも言っていたけれど、痛かったり怖かったりもしたがなかなか楽しい体験でもあったんじゃないかな。アイテム探しに田沼さんのんちゃ砲に鏡による外道照身霊波光線に、とイヴェントももりだくさんだしねえ。こういうゲーム的な行動ってやっぱ、年甲斐もなくワクワクするものがある。…ゲームとしては中途で先生によるチートがあったのでバランス崩れちゃいましたけどな。


回想シーン、例の鏡のことを「わくらの鏡」と言っていたのかな。病葉(わくらば)から作られた言葉っすかね。病葉の語源検索してみると病を「わくら」と読ませるのはちょっとムリもありそうだが、雰囲気があるのでまあよろし。そういう変化変遷も言葉の一面よね。