うさぎドロップ/ピングドラム

●新番組・うさぎドロップ。詳細は知らず、マンガ原作ということのみ。冒頭いきなりの絵で極端な水彩指向の画面設計方針が見てとれる。BGはともかく、セル(じゃないけどさ)作画をこういう水彩グラデで押し通すってのはCG仕事になってからの恩恵ですよね。とまれ、これでまず初見のフックとしてかなり目を引くわな。


さて。三十路やもめの主人公・大吉さんところに爺さんの隠し子・リンさんが転がり込んでくるまで、の第1話。ほぼ全編が葬式のシーンで、かつ式自体というよりその前後の人々の様子を描写している。普段あまり顔を合わせない親戚たちが寄り集まっている空気感の出し方が丁寧でよい。活発で遠慮の無いガキの人とか線香の番しつつ酔っ払ってうたた寝してるおっさんとかね。


そ、全体を通してすげえ丁寧なのな。いろいろあるけど視線と目の描写が印象に残る。画面にいる話者の視線の動きで画面外の対象について語るとかね。こういうシバイは場合によってはちょっとくどくなるきらいもあるが、上記の淡くて軽い画面作りによって上手いことヌいてる感じ。あとリンさんと柱時計のシーン、彼女では手の届かない高さの時計に大吉さんの手が伸びてきてゼンマイを巻く、このときのレイアウトがエエねえ。リンさん主観の絵作りで、彼女から見た大吉さんのデカさ/対比がよく出ている。


ふうむ、今んとこ丁寧でよろしいな。ちょっとお付き合いしてみましょう。あとリンさんかわいい。


●…しかし、うさぎドロップ夏目友人帳シュタインズゲート、と見たいアニメが同時刻に三本重なってしまった。今回はたまたま部分的に切れる程度でなんとか見られたが、次回以降はウチのダブルチューナ機ではちょっと苦しい…。かといってこの三本はどれも切るには惜しいしなあ。…ええいしょっがねェや、シュタゲはニコニコ視聴に回そう。木曜13時からやるのね? じゃ次回からそれだ。


輪るピングドラム・2話。新キャラ・リンゴさんの登場。妹さん…もといペンギン女王の言うことにゃ、彼女がピングドラムの所持者でありエエから取って来い、とのこと。パッと見ィはどこにでもいる恋するお嬢さんであるのだが、双子が彼女をストーキングするにつれ彼女の何やらおっそろしい面がじわじわと明らかになってくる。テメエでつけた電波的未来日記通りに行動し、思い人の先生のウチの床下にて至福を得るという…まあ、ホンマモンのストーカーさんでした。うわあ。


生存戦略」とやらは兄貴のほうだけに関係があるようだ。何やら思うところありそうな片鱗を見せる兄貴と、イノセントなままの弟。「全ては妹のため」という根本原理は同じながら、二人は非対称な状況に置かれている。…何も知らないのがイノセント? 知ってしまった者はイノセント足りえない? ああだから「リンゴ」さんなのかなるほどねー、っちうワシの浅知恵を軽々吹っ飛ばすリンゴさんのキャラ設定でした。うん参った。もっと普通に楽しむことにするよ!


件の生存戦略シーンは毎回のバンクになりそうだけど、今回は開始早々にご開帳。第二話でここまでのサーヴィスですよと見ることもできるし、この定番的要素は案外近い未来に変化するかもよという示唆にも見える。何にせよ油断がならんアニメではあるねえ。うーん、これは今期退屈しなくて済みそうだ。…しかし一番普通っぽかったリンゴさんがアレってことは、OPに出てくる更に濃いィ感じの人々は一体どうなるのやら。おっそろしい。