●ダンタリアンの書架・6話。絶世の美女たる高級娼婦に入れあげる五人の男。その娼婦・ヴィオラは結婚の条件として、各々に幻書を持ってくることを願う。さて、彼女の目的は、彼女の正体は何だろう。…というお話。希代の魔術師によって仮初の生を与えられたホムンクルスが真実の愛を、人の絆を知るという、まあやりようによってはいくらでもマジメに耽美に伝奇的にヤれる題材なのであるけれど…そのまあ、どこかこう、すっとぼけた味わいと場違いな勢いのあるお話に仕上がっている。決して手抜きってワケじゃなく、それどころかやたらと手間の掛かった作画も見えるのだが、えーと一言で言ってガイナくさい。ガイナックス制作なので当たり前はそうなんだけど、それにしてもガイナくさい。…絵コンテ今石洋之、原画に雨宮哲が見えました。じゃしょうがないね。うん。
多分これ、原作ではここまでの叩きつけるような勢いがある話じゃないと思う。ので原作ファンの感想はどーなのか不安だけんど、まあワシは楽しかったのでいいや。…正直言うと「もう少し落ち着いた、伝奇的なトーンの演出でも見てみたかったな」っちうところはありますけれど。うーんでもまあ、あんなけ盛り上げといて最後に新登場の伯爵様とラブラブ退場しちゃうヴィオラさんの絵を見ると「これで正解かしら」っちう気もしますがね。
頼んない元部下アルマンに櫻井孝宏、ヴィオラ嬢にかかずゆみ、大魔術氏メルガルに玄田哲章と結構な豪華キャスト。皆さんエエキャラしてるので再登場とかありそうな。特にアルマンさんは話を転がしやすそうっすね。
●うさぎドロップ・6話。りんちゃんは小学生となり、木を植える話。時を経て成長してゆく人のよすが、自分自身の記憶や他者との関わりなど、そういったものの象徴としての「木」である。ニンジャさんが修行として麻を植えて飛び越えるっちう定番ネタが出てくるが、多分それも「成長し、変わってゆくもの」というニュアンス、配置された要素の一つに見える。…ま、確かにこっから「ビワの木を軽々と飛び越えるリンさん」っちう話になったらそらビックリだけどね。見てみたい気もする…のか?
てことで、小学生記念植樹はビワの木と相成った。…あれ、確かに割と簡単に育つのよね。学生時分、部室の前の土地に喰ったビワの種をみんなで捨てたりしてて、ある日OBとして久々に部室に戻ってみたらビワが生ってた。確かに年月は経ってたが、フツーに捨てた種から木になったもんなあ。植物ってスゲエ、わな。
コウキさんちとは仲良くやってってるようである。腕白で落ち着きは無いが、キッチリとリンちゃんを気にかけてくれてるコウキさんがよし。あんましピーピー緊急笛鳴らしたらあかんけどね。さて、コウキママさんとも割と上手くやってってる大吉さんではあるけれど…うーむ、いざ連れ子同士で結婚となるとまた障害や心理的跳躍が必要だろうしな。ま、それは今後のこと。
あいかわらず作画は良い、つーか実に丁寧。植え替えのために持ち運んでる木、この振り方が自然だったわいなあ。
●夏目友人帳 参・7話。非常に強力だがどうにも夏目さんの信条とは相容れない祓い屋・的場一門。その当主たる的場の諏訪部さんはどう動く、っちう話。vs的場さんなお話かと思えば、彼らに対立する(ちょっとイっちゃった)第三勢力が介入してきて物語をまた別方向に転がしてゆく。ふうむ、なかなか面白い。個人的には読みきりのショートストーリーの方が好みっちゃ好みだけど、こういう物語の背骨のような要素自体は歓迎するものであるしね。いずれにせよ、これから夏目さんはある意味牧歌的な対妖怪生活だけやる、っちうワケにもいかなくなったのではあろうな。
てことで登場の的場当主、まーなんのかんのと余裕の行動。実際そのキャラ的な強さはそのとおりなんだけど、あの執念女さんの釣り針にまんまと引っ掛っちゃったのは間違いないとこだもんね。そらちょっと意地悪もするかしらとは思ったり。まその、その後助けたってのも夏目さんと先生への興味が発生したればこその行動でしょうけれども。
…あと、土井秘書さんとの会話中にて「あのレイコの孫」という台詞が出てきたが…さて、レイコさんとはどんな関わりを持っていたのだろう。回想シーンなどでは「妖怪をいじめたり助けたりいじめたりいじめたりしている」っちう姿しか見えてこないからなあ。その一環として、的場たちとどこかで道が交差したのだろうか。多分これが明らかにされるのはこの物語のクライマックス辺りだろうし、アニメシリーズでは言及されないかもしれんね。それはまあ、それで。