クリスタル・スカルの王国

●この期に及んでやっとこさ、録画しといた「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」を見る。事前情報としてあんまし芳しい意見を…ネットからも知己からも受けておらず、また視聴してその意見もよう判るところのものでありますが、…うん。ワシ、フツーに楽しく見てしまいましたよ。


理由の一つは明白。いつもの「前置き」の顔見世エピソードというよりは本編直結のアバンにおいて早々登場のロシアン将校さん…ケイト・ブランシェット、この姉さんの存在である。なんせこのイリーナさん、多分ルイセンコ的イメージがソースなんだろうけど、世界各国のオカルト事象を集めつつ自身も超能力者だというだいぶアレなお人。そのくせ自身の超能力はちっとも使わず主にレイピア勝負のヘンな人なのですが、とにかくそのキャラ。色白グレーアイで頬骨高く、真っ黒のストレートヘアをボブカットにしている…という、アメコミ映えするデザインにして押井ヒロイン造形そのまんま、というある種のフェチにはたまらん仕様。


…いやあ、ワシこの人の存在だけで割とオッケーだわ。ラストで今作の「お宝」としてあらゆる知識を所望し、そのあまりの情報量にオーヴァーロードして塵と化してしまうのだが…これ多分、イリーナさんにとって本望だよね。「もうやめて」だの何だの言うてたけど、それは単なるイニシエーションの苦しみですよ。姉さんはきっと情報存在となってあの宇宙人たちとともに次元を超えていったに違いない。おお押井ヒロイン、ネットは広大だわ


まその、マリオンのオバハンも好きですよ? すっかり貫禄付いちゃったけど、充分ミリキ的だと思います。タラシのインディが惚れ直すのもまァ、判るところ。でも早々に再度離婚して喧嘩友達になっちゃいそうな感じもあるけどね。まあ。


そうねえ、本編については、ぶっちゃけインディ4作のうちで2番目くらいに好きかも。今んとこ。トップはレイダース(これは多分そうそう変わらない)だが、魔宮の伝説より楽しかったかもしれん。実にゆるい冒険譚であってツッコんでったらキリがない状態ながら、それは今までもそうだったのであんまり瑕疵にはなっていない。またちょっとクドくてかったるいなという感じがせんでもなかったが、これも単にワシが年取って脂っこいものが苦手になっただけかもしれまへんしね。そんで流石に宇宙人云々はどーかなーと思わんでもないが(ボツ脚本の「神の都」が気になる)、これまたなんとか許容範囲内。一番気になったのは…女性陣はともかく男性陣のキャラの薄さかなあ。特に裏切り相棒役のマック、小物っぽいなら小物なりにもうちょっとキャラ立てなキツいぞ。ほとんど印象にも残らなかったぜ。


冒頭の核爆発シーンは、ワシの出身地からして一言二言喋っとかんならんような気もするが(あまりに無神経だとか云々)、まァ…いいや。そこら辺のあれこれはほかの人にお任せ。だってさ、敵の手から逃げてふらふら歩いてたらネバダ砂漠の真ん中にポツンと妙な都邑が…って段階でもうドキドキするやんねえ。やばいやばいやばすぎる、えーこれ一体どうすんねん、という感覚はマジでスゲかったですもん。「(核実験まで)十秒前」というあのアナウンスはちょっと怖すぎる。にしても、鉛で裏打ちした冷蔵庫、ってマジであったのかね。検索してもよう判らん。


吹き替えキャストはインディに内田直哉、マリオンは土井美加。ワシの世代だと初代TV版の村井国夫戸田恵子コンビの印象が強いんだが、これはこれで悪くない。少なくともインディ役として玄田の哲章さんよりは雰囲気に合っているな。検索したらDVDではこの、内田土井コンビでアテてはったそうで。なるほどね。


てことで…うん、楽しかったっすよ。トシとってどんどん評価が甘くなってってんのもあるだろうけど、映画館で見てたら結構満腹になって帰ってきてたんと違うかな。いいやもう、それで。