おお振り/地球へ…/電脳コイル

おおきく振りかぶって16話。桐青キャッチャー・そして監督はその油断を改めはじめるが、それでもいまだ反撃の糸口はつかめない。一方の西浦は西浦で、三橋さんの状況がちとアヤシゲである。上気した様を見て「興奮してブレーキが効かない状況である」と判断する阿部さんであるが、さて。雨はまだ降り止まず、これが風邪とかだったらちとヤバいぞ?


最後らへんにポッと出てきたいとこさんが結構な攻撃力のキャラでして、「雨合羽代わりだから」つってフリフリの服上下を脱ぎだすとか線目で応援する表情とか阿らず媚びずの性格とか、ママさんたちと一緒に「かわいいー!」とか思っちまった。これは多分ワタシの偏見なのだろうけど、こういうキャラ造形力ってのは女性作家ならではって感じでした。しばしば出演してください。


地球へ…・17話。メギドシステムの攻撃から辛くも脱出したミュウたちは、多大な犠牲を払いつつもその意志を固める。地球へ行く前にお礼参りしとく所があるんじゃーい! 首洗うて待っとけやワーレー! である。


一方のキースはブルーとの対決に生き残り、その苛烈な行動は成田剣の人に強烈な印象を残す。「これは戦争ではない、虐殺だ」と。ヘタレエリートとしての成田さんの言葉ですし、それなりの重みが、ね。「目的のためにどんな犠牲を払えるか」というお題で、キースさんは味方戦力/ブルーさんは自分の命、という対比は面白かった。


ナスカ上とブルーさん双方の悲劇的展開は型にはまりすぎてたかな。特にブルーさんは色々と衰弱しつつあったとは言え、艦砲射撃をひょいひょい避けてた人が軽火器で苦戦するってのもちと悲しい気持ち。てェか宇宙艦隊の人よゥ、ブルーさん狙って味方艦船を撃沈させてんじゃありませんよ。射線上に何があるかくらい確認しなさい! あんたらエリート軍人であって愚連隊じゃないでしょ! もっとできる子なんだから!


電脳コイル12話。…うわあ…ひでえ…すげえ…! 電脳ヒゲ部によるお隣SF、どころか顔の上大戦争! 「戦争とは金ばかりかかってむなしいものだなあ」ですな! ですな! とにかく、みィんなのお顔にヒゲ生えるというバカ絵面にして、このゴリンゴリンに懐かしき純粋SFテーマというギャップがあまりにも萌え過ぎる。最終的にヒゲどもが「我々はもっと成熟した存在になりたかった」とさらなる新天地に旅立つくだりは正にSOWであった。


序盤部分のダイチの陰毛ペーソス話も共感できるし、その次のキス魔としての京子も怖かわいくて笑わっしょるし…と思ってたらこの展開。これが30分番組に収められる量の話か? 脚本・絵コンテ・作画に磯光雄ご本人。流石脚本仕事をイロウルで始めた酔狂野郎だけのことはあるぜ。侮れねえ。


テイストとしてはやはりドラえもん、地下世界の話とか火星文明創造の話とかを思い出す。エスカレートのさせ方が上手いってのもあるが、その手法があくまで理系ネタを駆使したものだってのもストイックかつバカでよろしかった。宇宙文明を拓いた象徴がアレシボの300mアンテナそのものだぜ! うーん参った。完敗にして乾杯です。