おお振り/地球へ

おおきく振りかぶって18話。野球という名の果し合い。必殺技ヒーローも主人公補正も存在しない状況下で、それまでの展開、フィールドの変化、視線、雨、癖、それらの要素を総動員してのガチンコバトルである。プレイヤー、コーチ、そして監督レベルでの神経を削りとるが如き真剣勝負。そして桐青の監督はひとりごちる。「読み負け、かよ」。


ううーむ、これは楽しい。心理ゲーム作品としてアカギとかに比肩しうるほどの濃厚なシナリオではあるまいか。登場人物が多いだけに、その重層性という一点においては他の追随を許さぬほどのリッチな流れだったように思う。野球場にらみつつ何か考えてるモモカンさんの、あの逆への字の眉毛の蠱惑的なことっちうたらもう、あのちちに負けてませんよ? これでまだ序盤ですか…贅沢な話やな。


んで、一人読みあいゲームの外にいつつ強烈な主役属性をアピールしてる三橋さんがすげえなあ。「お前今日打つな」と言われた反応がなんであんなにカワイイんだよ。回想でもあった一塁すっ転び絵といい、オモシロ絵柄はこの人が一手に引き受けてんのな。敵捕手に「コイツは元々こういう仕種なのか?」とか言われてんのが可笑しうございました。そーうなんですの(兼高かおる風)。


地球へ…・19話。キースとジョミー、双方とも自らのオリジンを探すの巻。ジョミーさんの方は劇的ながら「通過点」っぽい扱いでしたけど、キースさんはかなり謎の根源に迫るようなエピソード。自分とフィシスが究極のデザイナーズチャイルドだと知り、急きも慌てもせずクローンたちを殲滅するキースさんはクールだぜ、という。マザーさんもこうなる事が予測できぬとは、結構ヘボっちい人工頭脳やなあ。


フィシスの側近に「一人の時は怪我に気をつけれ」と凄むトォニィさんはますますチンピラ一直線である。それは非力なヤツが非力であることを自覚した上で吐く台詞だよな。意図して書かれたスクリプトなら、トォニィさんは無意識に自分が弱者であると知っているということかしらん。


今回は折笠愛が大活躍でごんしたねえ。慈愛AIにヤクザAI、ラストは黒幕的悪役声。でもうーん、個人的にはもっと色っぽい役で出てきて欲しいと思うのであります。あー、声で言うと斎賀みつきさんは「冷徹為政者」役でグレンラガンと同時進行でげすな。


●…電コイは休み、でいいんだよね? ワシの知らんうちに放映してないよね?