デュラララ/おお振り/ナイトレイド

デュラララ!!・16話。トップ屋さんを排除したことで切り裂き魔・サイカの事件は終わったかに思えたが、いや視聴者だれもそう思ってないんですけれど、まあ当然ながら解決していないワケでありまして。アンリさんがその兇刃の対象となるのだが、彼女はホンマのとこ言いますとサイカの親玉そのものだったのでわあ大変、というね。


人を愛して愛しまくっている妖刀・サイカ。だけど元が刀なので、愛するも何も行動できるパターンといえば人斬りだけなのである。故に彼女…女性なのね…にとって愛イコール斬。その上斬った相手はサイカの子となり自我を失う。手に手にヤッパ持ったゾンビがうろつく、っちうまあ、セルティさんの大苦手な状況の中、徒手空拳でゾンビの群れに一人踊りこんでゆく静ちゃんさんは実にカッチョ良いことだ。理由のアレコレはともかく、そらまあサイカに惚れられもしようて。うん。


そういやイザヤさんの行動原理も「人間への愛情」だっけ。サイカさんについてはどう思ってるのかしらん。共感持つか? それともこんなん愛じゃないやい! てか?


ヤンデレイカ娘に襲われ(形式上は)絶体絶命なアンリさん、ここで玄関のチャイムが! さあこの状況をひっくり返す意外な助っ人とは誰だ! 主人公か? 主人公なのか? と思わせての最低教師うえだゆうじの登場にとてもウケた。素晴らしい。確かに意外性にして逆転の一手だわ。うえだ先生には気の毒ですが、まァそういう機能としてのキャラクタでしょうしね。南無。


おおきく振りかぶって〜夏の大会編〜・5話。コールドに向けて着々と試合を進めてゆく西浦にあって、四番花井さんの妙なプレッシャーは未だ消え去らない。ちうかモモカン自身プレッシャーを消し去るつもりは無い。田島さんを意識することに対する鬱屈した思いは、ああそうか意識するべきなのかなんだそうか、と気付くことによって転化する。そう、プレッシャーはあったほうが良い。その「圧」をたたき付ける方法があるのならば、大きな力となるのだから。…ワシはヤですけどね! 安寧に怠惰に生きていくのさ!


てことで、基本的には西浦の変化成長のために出てきたような崎玉だったのですが、そんな相手だろうが彼ら一人ひとりに血肉と情感を通わせているシナリオは、真摯でありある意味で容赦が無い。最後の試合がコールド負け、っちう彼らの心中や如何ばかり。ま、この経験によって一段強くなってくれそうな人々であるのが救いではありますねえ。


この作品的にそれほど凝った展開やアクションの回ではなかったのだけれど、妙に丁寧でかつちょこまかとよう動く画面が何やら楽しかった。花井さんに声かけられて大慌てする三橋さんの動きとかね。…あと花井さんは田島さんとの会話で頬染めるな。忘れてたよ、そういやこの作品って大きなお姉さんにも人気あったんだっけ。それともああいう直截的な描写はイマイチっすかね? まいいや。うん。


閃光のナイトレイド・4話。中華娘に頼まれてのメニュー撮影、んでもってバッグごと写真が無くなったので大弱りの巻。今回は軍務だの陰謀だのとは全く関係なく、ご近所クライシスのバカ話で凸凹コンビの人となりを描く一席…ではあるのだけれど、ちょいとテンポに難があったかなあ。折角の息抜き軽コメディ回なんだから、こういうもっちゃりした語り口では魅力半減であるように思ったりした。


まあ、マジメな顔してメニュー写真で張り合いやってるお二人さんの姿は面白かったと思うんですけどね。大雑把vs神経質、カジュアルvsフォーマル等の対比的要素の中に「ネコと同一行動ができる能力vsネコの思考を先読みできる能力」っちう対立軸が出てきたのはちょっと笑いました。なんだそれ。あと、あの無口の松田優作っぽい人がしょーもないシーンで思わせぶりに高みの見物してる絵ですかな。実はあの絵面が一番面白かったりして。


食堂の料理サンプルが世間に出始めた頃だとか、そういう一口歴史ネタは興味深かった。ホンマやどうや知らんけどね。あそうだ、画面の構成や絵面の見せ方はなんか良かったですよ。やたらめんどくさい作画とかもあったし、ただ、その凝り方がどうもモタモタしたテンポの一因になってたような、ってとこなんスけどね。まあ。