ギガンティック/ウェルベール/銀魂

●新番組、機神大戦ギガンティック・フォーミュラ。先行感想はかなりカオティックな様相を呈してる本作、なるほど確かに。今期屈指の作画アニメではあるんだけど、どっちかというとその突出した作画が内容を侵蝕してるタイプの作品ですな。EDの門之園恵美の絵が浮く浮く。個人的にこういうヤリクチは好きな方ですが、世間的共感は得にくいわな、やっぱ。


それにしてもかなり硬質の語り口。アニメ誌等で設定を読んだ時点で皆が想像するであろう、Gガンとかレッドバロンとかのノリとはずいぶん違えて来たものではある。巨大ロボ代理戦争という大バカを描く手段として、それ以外の世界要素をタイトにするという戦法できた結果だろうけれど、ちょーっと判りにくいことになってたな。特に中盤、主人公少年の目的と戦争的大状況の流れを一致させてない所。「おや? あのゲーム大会は何のためなの?」という疑問点がまず出てきてしまう。理由はおいおい判るにせよ、物語を引っ張る謎というよりは阻害物に感じられたですな。


また、バカノリ設定のアニメにしては人死にが多いよね。あんだけ大惨事起こしといて「紳士的な決闘を望む」ってのは皮肉脚本だろうが、まずルールが判らんことにはこっちとしても反応しづらい。あと、ここでも中国が悪役なのねェ。使いやすいキャラなのかしらん。


なんだかんだ言いつつ、しっかり作画を楽しんだりしたので視聴続行。あんましEVA的にならぬことを期待しつつ。


●新番組、ウエルベールの物語。冒頭、ベッドにすっぱだかの男女。女の方が起きだしてチャッチャと身支度を整え、窓から出て行こうとする。窓の外で待っていた妖精さんが声をかけて「終わった?」、女答えて「終わった言うな!」。…うーむ、大人エロい。という、姫様と女泥棒による珍道中物語の始まりである。


ほぼ前知識ナシで見始めたのだけど、なんかすげー楽しいぞこのアニメ。割と不思議なバランスの作品で、少女ファンタジー寄りの華美系デザインとあっけらかんとした装飾の少ない脚本が同居している。とにかくテンポが早く、それでいて急ぎ足な感じはしない。なんつーかその、余計な説明や感情に顧慮しない割り切りのよさが心地よいんだろうかなあ。


その上でですね、箱入りかと思わせてカンフーマスターな姫様とか、ちっこいミーネンロイマーに鎧ヘッド付けたジジイロボ戦車とか、ピストルソードで敵を薙ぐ敵国騎士だとか、どっかで聞いたような飛行音の妖精さんとか、人を喰ったネタがぽんぽこ出てくるので油断がならん。あとちくび券も発行済み。ホンマ独特の不思議さがあるな。


うむ、良い一話だったな。意外な拾い物といった感じ。あっと、拾い物とは失礼でして申し訳ない。拾い物と言えば竹内順子ヒロインってのも…あ、これまた失礼でした。


銀魂51話。隠し子騒動でおおわらわの巻。杉野さんが苦労してはる海外作画回だったが、余裕があったか色々修正が入ったか、割と画面の質は違和感無かったな。シャンデリア型のガラガラ(なんてーの? あれ)がCGだったけど、回転物の作画を軒並みCGにするという方針は案外当を得てるかも知れませんな。ああいうとこで息切れしちゃうからねえ。


隠し子ネタの定番どころを押さえてて、ウェルメイドコメディとしてもそこそこだったですよ? 普段は割と人非人っぽい銀さんが、結局一番赤ちゃんを一個人として扱っているという持ってきかたも悪くない。赤子相手にフツーに会話してるんだもんな。あと、「一見ふてぶてしいがだんだんかわいく思えてくる」という微妙な赤ちゃんデザインも良かった。


岡田以蔵みたいな人が出てきて、これはどうやら先々への伏線みたいな感じなんだけど、ワタシ一瞬「あ、一話に出てきた志村けんもどきだ」って思ってしまった。傘取ったらあんまし似てませんでした。