ラグランジェ/峰不二子/人類は衰退しました

輪廻のラグランジェ season2・4話。星間戦争な状況下、仲のお悪いヴィラ兄とディセ兄のかけはしにならんとしてアステリア会長は会談の場を用意する。つったって二人の乗ったエレベータを途中で止めての「ボーイズトーク」を聞きたいワっちう仕掛けなんですけどね。一応本人たち二人は、共通の過去や変化した現在、あるいは厳しい状況を踏まえたシリアスっぽい会話してんだけど、それ見てるお付の手下どもがわあわあとバカ合戦やってんのが腰砕けでよろしい。殺し合いやっててもこのノリなのよね、監督の作品はね。

まその、ただムダに甘っちょろいってワケじゃなく、定番の情動やキャラに陥らないという美点でもあるのですが。ヴィラディセの兄組とランムギの妹組が廊下で交錯したとき、家族性に加えて亡命した側された側という一方ならぬ関係があるにも関わらず、気さくな挨拶で声を掛け合うっちうセンスが好きだ。復活のユリカノと会話したからってバレバレの変装で潜入工作する、というしょーもないノリもね。こういう隙はとても歓迎するものである。

兄様二人が窓辺で表面的な会話してるシーン。よくある手法ではあるが、二人の真ん中に窓枠(とその真っすぐな影)のラインを入れて分断している構図が親切でよし。その直後に登場した会長はほぼ完全なシンメトリー構図であり、前述二人の寒色メインの背景とも対比的な黄色と赤の背景になっている。見せ方が印象的で上手いのよね。お三人が歩く廊下の天井が青・壁が黄色、と融合した配色になってんのも面白い。…あと、ユリカノさんのアイデンティファイについて、DNAが同一だからクローンじゃないってっけど、クローンだったらDNA一緒やよね? それ証拠にならなくね?

LUPIN the Third 〜峰不二子という女〜・5話。アレキサンドライトってのはこういうギミックお宝の定番ネタですな。赤と青、生と死、男と女、信頼と裏切り。二つの概念がエジプトはピラミッドで交差するのであーる。てことでルパンと次元初顔合わせの巻。

お互いにギラギラと若くて青い、どこか成熟していない雰囲気が何やら新鮮ですな(相変わらず小林清志御大はちとしんどそうだが)。後年になっても彼ら皆さん案外とドジは踏むのだが、今はその失敗のし方さえもどこか青い。だからこそ、ちょっと臭くて自信にあふれたカッチョいい台詞が似合うってとこも、ある。お宝を残さねば生の世界には戻れない、ならばお前はこの死の世界でお宝を抱えて過ごすのか? というネタはインディの3思い出しましたな。アレは結局、不二子ちゃん役のお嬢さんは死の世界に行っちゃったんですけども。

作画監督・原画と絵コンテに板垣伸。あー、なんか不二子ちゃんがちょっとろりっぽくてかわいかったのはそのせいかしら。板垣さんらしいダイナミックなアクションやエフェクトも多かったのだけれど、いかんせん始終画面が暗くてどうも見えづらかったのが残念だ。エエねんそんなん遠慮せんでも、パーっと見せようやパーっと。

人類は衰退しました・5話。あれ、あの「局長」と初対面ってことはこれ、過去の話か。まいいや、謎の古代施設と謎のモノリスと謎でない電気フェスティバルの話。何とか生き残っていた衛星からの遠隔搬送電力によって「文化」を享受するようになった楠の里であるが、どうやら妖精さんたちはその搬送波、電磁波に弱いらしい。里から妖精さんが去ってったことにより、メルヘン的な物語運びは望めなくなってしまう状況。逆に言えば、妖精さんたちがたくさん居れば、ビルから落下してもペガススが助けてくれたりするワケなのね。酷い目には遭うが死ぬことはない、と。ますますもって謎の種族ではある…。

そういうことで何かあってもふつーに死んでしまいそうになっている中、今まさに主人公さんは謎の施設の中で遭難死しそうになっている、と。お守りとしてついてきた妖精さんが活性化したものの、まァ一人だけではまだまだ危機脱出には程遠いかな…と思ったら謎のモノリスから飛び出してきたぴおんさんが登場であるか。何でしょうね、明らかにポンコツロボ子っぽい風情だけど。この古代施設と関わりがあったりするんだろうか。

妖精さん濃度によってメルヘンとシリアスの度合いが変わるようだが、居なくなったからっていきなしサツバツとしたアトモスフェアにならなくてまあよかった。わざわざお守りとして妖精さんがくっついてきたことからして、主人公ちゃんは妖精さんにかなり好意を持たれてるっちうこっちゃろね。…あとあの、ラストいきなり襲い掛かってきたロボ犬、正体はともかくデザインは明らかにキャシャーンフレンダーじゃよね。そのうちツメロボでも出てきたりしますか。