仁義なき煮物・頂上決戦

●リベンジだ。豚を煮るのだ。こんなに短期間で飽きないかと? 事態は既にそういう問題ではなくなっているのだ。ワタシと豚肉とどちらが生き残るのか、そういう殲滅戦なのである。ディスイズノットアドリル。秋の日のヰ゛オロンのため息の身にしみてひたぶるにうら悲し。皇国の興廃この一戦にあり。てめえは俺を怒らせたッ!


てことで豚肉ブロックと、杏ジャムに代わりマーマレードを買ってくる。その他の条件は前回とほぼ同じ。ふはは、この豚野郎め! 脂肪の塊め! 四角い生贄め! 今度こそ目にもの見せてくれるわ。


調理方法は一緒なので省略。ただ、前回泣きを見た水分量の不足には留意する。そらもう石橋を叩き割り、羹に懲りて膾に液体窒素をぶっかけて台無しにするワシだ、そのへんに抜かりは無いわい。煮あがってから汁だけ煮詰め、とろみついたらできあがり。


さて肉の状態は…、よしよし。よーしよし! これは柔らかい! そしていい香り! 厚めに切って喰おうかと思ったが、ウチのヘボ包丁では多分崩れる。煮る前に表面を焼いたから形を保っているも同然。よってちょっとしたブロック状態のまま皿にとり、煮詰めた煮汁を上にかけ、粒マスタードを脇に添え、フォークナイフで喰うことにする。


はい戴きます。うむ。脂はぷるんと弾力があり、肉の芯まで味が染み込んでいる。マーマレードとおろし野菜の甘さはイヤミが無く、豚肉のクセに実によくあっている。てことでよーし、我が軍大勝利! 肉の旨さに無条件降伏! 負けてるやん。