バビロン/OBSOLETE

●バビロン・9話。合衆国大統領の所にまでマガセさんの情報が届き、正崎さんが米国にての捜査を開始する…というステージになるけどやっぱり負け戦な雰囲気がするんですけどね。やろうと思えば全人類をそろって自死に導くこともできるだろうけれどそうしない、齋さん…というよりは多分マガセさんには何か別のやりたいことがある、と正崎さんは思っている。何だろうね。今回でハートフォード市長へ語りかけるマガセさんの(尋常じゃない)録音音声にまでたどり着くんですが、そこに至る捜査過程の描写がやっぱり面白い。こういうディテイルが上手いんだよなこの作品。

●OBSOLETE・6話。これでシーズン1の最終話ってことらしい。前回において使い捨ての命であった少年少女が、一人の指導者の手によってタフな戦士として生まれ変わる…つまり、ちょっとましな地獄に移るという話。前後編という構造によって、使い捨てなグダグダ戦闘と統率された戦闘の差異、またエグゾフレームにとっての戦闘とはどういうものか、ってのが端的に示される。当然、上で書いた少年たちやザーヒルのドラマが話の骨子ではあるんだけど、この作品が見せたい「アンコ」部分はロボバトルそのものである、ってのがよく伝わってくる。…そらまあ、戦闘ヘリに出張ってこられたら困るわなあ。その上であの戦術は面白い。人は消費しないけどフレームは使い捨てられる、って前提ならアレもいけるわけだ。

●総評、つったって物語上の本筋っぽい第1話の続きが無いのでちっとも終わった感じはない。1話15分枠という小ぢんまりしたパッケージなので全体的に話も小粒、連続ドラマ的な大きな流れは希薄でどうもダイジェスト感が強いのはしょうがないのかもしれない。よって外骨格ロボの戦闘そのものにどこまで魅力を感じられるか、ってとこがキモではあろう。個人的にはもっと見てみたいなと思うくらいに気に入ってるけど、どうだろうねえ…第2シーズン作ってもらえるほど人気出てるんかねえ。とまれ、期待はしておこうと思います。

イド/映像研

●新番組・イド:インヴェイテッド。初回2話連続放送。詳細知らないまま見だしたので、奇妙なばらばら異世界に目覚めた主人公が「名探偵」とか言い出したので結構びっくりする。いいお客さんだな、俺。ムチャな状況にまず視聴者を置き、シチュエーションが展開するに合わせて徐々に理解をさせる手順が上手い。…バラバラ世界を再構築する辺りのカッチョイイ音楽でちょっと笑っちゃったけど。本編は現場に残る不思議粒子によって殺人犯の意識を再現し、その中にダイブすることで事件の推理をする…という。シチュエーションを一旦精神世界に翻訳してその解釈をエンタテイメントとして探偵小説に仕上げる、という結構めんどくさそうな構造ながら、この語り起こしはちゃんと機能しているので感心した。

どうやらラスボスっぽいジョン・ウォーカーなる存在、次々と殺人犯を作り出すというそのキャラは…ベタに考えればこの身内の捜査官たちに居るんだろうなって感じですけど、どうでしょうね。いきなりすさまじい胡散臭さだった局長さんは、怪しすぎて除外されそうなくらいですけども。とまれ、視聴継続してみよう。

●新番組・映像研には手を出すな!。アバンとOPの段階で既にガッチリつかまれる。OPがいいねーってのは、キャッチーなのもそうだけどあのキャラなのにちゃんと湯浅テイストになってる、それだけでニヤけてしまう。その後も人の生活する無秩序な巨大構造物、ぼくのかんがえたさいきょうのせってい絵、妄想横溢する世界への飛翔。気に入ったというよりも、この成果物とこんな青春無かったことへの嫉妬や羨望に近い。問題は題材的に、このまんまのクォリティで全編駆け抜けてってくれるかどうかだけど…まあ、それは先の心配ではある。あとNHKだからってんじゃなかろうが、直接出てくるコナンを初めとしてそこここに宮崎アニメへのオマージュが見えるのが面白い(黒服の動きとかオーニソプターの演出とか)。…でもタイトルは違うのな。そこら辺、NHKでも権利取れなかったんじゃろか。

ヴィンランド/バビロン/オブソリート

ヴィンランド・サガ・最終話。アシェラッド死す、のついでにこの先の登場人物/舞台をチラ見せしてシメ。本当にとことん内田直哉の演技を堪能する回でありましたな。すげえや、という感想しきり。とりあえずトルフィンはこの結末で完全につぶれてしまい、再起するにはしばらくの試練が必要になるんですけども…何だろうね、一旦完全にバラしてからの再構築による生まれ変わりってのは何となく蛹からの孵化みたいな印象ではある。あと、トルケルさんがちょこちょこいいサポートムーブしてんのが良かった。本質的に地頭がいいんだよね。

●総評。まあ何というか、想定する中でもほぼベストに近いアニメ化だったんではなかろうか。作画・演出・キャストに至るまで、実に丁寧に制作されているのがよく判るデキになっていた。原作は良質ではあるものの、万人から大うけするようなタイプの派手さは少ないので、じっくりと展開できるNHKがプラットフォームであったのも幸いしている。また序盤の展開を時系列に沿って入れ替え、かつ幼年編として3話まで一気に放送するという形式も、ストーリィに引き込ませる目的として効果的だったんではなかろうか。

上でも書いたけどキャストの演技も良かったねえ。トルフィンは青年期の上村祐翔・少年期の石上静香ともにいい叫び声してて印象に残ったし、トルケルの大塚明夫は「まあこのキャラならこのおっさんしかねーなー」って感じの盤石さだったし。そしてアシェラッドの内田直哉は後半に行けば行くほど鬼気迫る、と言えるほどの存在感で耳目をかっさらう。この辺の演技見てる(聞いてる)だけでも視聴充実度がやたらに高い作品ではあった。

てことで充分に楽しんだけど、まあここで終わるって手はないよね。こっから割と鬱屈した展開が続くんだけど、それだけにキッチリ映像化して農民編のケツまでやってほしい。NHKだし、期待してますよ。お願いしますって。

●バビロン・8話。一月ほどブランク開けての再開。冒頭いきなり犠牲者の同僚さん勢ぞろいで「こりゃ正崎さんもダメになったか」と思ったが、そこまで参ってもない感じなのが却ってキツイというか。家族とのほのぼのしたシーンを映されるともう悲惨な状況の前振りにしか思えないっすわね。そして後半は舞台がアメリカに飛ぶ。ギークな青年の話がラストで大統領になるという構成とか、キャラの立ったサポート役の面々とか、相変わらず面白そうな語り口は流石だなあと思いつつ、なるほどこのメンツがドロドロに崩壊してゆくのを見るわけね、とやっぱり前振りにしか見えない。なんだかんだで楽しみなんだけど、これから先もキツイ展開になるんだろうなあ…。

●OBSOLETE・5話。タダに近い手間と値段でこんなキカイが手に入るならば当然そうなるだろうなという、人の命の安い国での大量使い捨て運用。その中にあって指導者を得て戦士になる少年たち…ってまあ、地獄からちょっとマシな地獄に移っただけなんだけど、当人たちにとってはきれいごとも言うてられないワケで。ただ無為に死んで行くよりは意義を抱えて死ぬ方が良い、ってことだわな。この「指導者」ザーヒルさんが1話の謎の敵かしらん。コクピット外で外骨格とシンクロしてスナイプしてんのがやたらかっこいいな。

OBSOLETE

●新番組・OBSOLETE。ネットアニメ。4話まで視聴。虚淵原案でシリーズ構成のロボアニメで、その小ささと適当な弱さ、使い捨て感覚はボトムズガサラキ・フラッグ辺りの雰囲気をつよく匂わせる。企画プロデュースに高橋良輔が居るのは、こういうのが好きでこの人主導で立ち上げたっつーよりも、多分「このジャンルなら高橋良輔だろ」ってことで引っ張り出されたんじゃないかなとか思った。謎の存在がどうでも良さそうなものと引きかえにロボをくれる、ってのはザブングルっぽいですけどね。

確かに超技術だけども数体あったくらいでは戦争が傾くほどでもなく、しかしそれが国という形態を無視してどこにでももたらされるとなれば…ってことで、戦争の形態が少しずつ変わってゆく。そのバックをもとに、今んとこは各人の点描的にオムニバスな話を連鎖している。第1話がそれを統括するメインの話で、そのうちこの時系列に戻るんだろうな。今んとこ、かなりハードで地味な描写の積み重ねで面白い。ヒマ見て継続してみよう。

ヴィンランド

ヴィンランド・サガ・23話。ここまで策と狡知でマスターマインドやってきたアシェラッドさんが、スヴェン王のウェールズ侵攻という方策ひとつで全てひっくり返される、というどらまちっくな悲劇ですわな。あの決定的な驚愕表情が原作そのまんまなのが何か可笑しい。んで物語的のメイン舞台から一人外れて抜け殻ンなってるトルフィンは主役とも言えない立ち位置だが、しかしヴィンランドという内なる理想郷を求めている、というモチベーションからすると実はアシェラッド/クヌートと方向性は変わらない。実際トルケルこそ一番外れ者なんかもしれません…いや、彼も「真の戦士」という追求物があるか。とりあえず、次回のアシェラッドが見ものではある。

賀状準備

●年賀状印刷終了。毎度ながら絵柄を思いつかずやっと妥協し、毎度ながら来た人返しのみの数枚印刷。毎度ながらこの規模だとコンビニにUSBメモリ持ち込んでちまちま印刷するってので充分ではある。しかし去年引越しして住所が変わったので、さて今年は何枚来ることか。一応お知らせしてはいるんですけどね。ともあれ、年末にかけての懸案事項が一つ片付いた。季節感のない仕事状況ではあるが、こういうのがちょっとだけあるので辛うじて年末だと実感しておる次第。ええ。