ラーメン赤猫/ザ・ファブル

●ラーメン赤猫・5話。「換毛期にはイライラしがちになる」ってのは猫あるあるなんだろうか。なんでまたそんなことと思ったら、なるほど毛が抜けるんで掻きむしりたくなるワケね。この前提でクリシュナさんとなると、そりゃまあ…迫力はあるわなあ。とことんまで優しい世界で良かったことで。

後輩弁護士の五所川原さん、きりっとした美人なデザインだが一面ではスカタン、という設定の塩梅で面白くできている。法律仕事はデキる人だけど猫好き過ぎが災いしてそっち方面はまるでダメ…猫がしゃべってくれるおかげで「構いすぎる人」が猫にとってどういう感じなのか、が具体的によく判る。うん…悪い人じゃないんだけどね…ってラインが絶妙。

ザ・ファブル・17話。とてもエエ人・ウツボ氏登場。この作品だし当然悪人であり要するに金持ちのガキ相手にガラ押さえて強請ってから殺す、そういう人である。…うーん、判りやすいな! ウツボさんが歴史家のトレヴェリアンの文句を引用するとこて「歴史家じゃなくてヘンな小説書く覆面作家じゃなかったっけ」と思って検索したら俺の頭の中の方はトレヴェ「ニ」アンだった。こういうとこでちゃんと学業を修めてる人との差が付く…。いいけど。

このウツボさんのキャラ付けも上手くて、外道ビジネスやりつつ衒学趣味、しかしその衒いも表層的なのね。「偉大なバンド」をテメエで列挙しときながらピストルズの「セックス」の方しか思い出せなくて、まあいいやと気にかけない。そして多分、自身はそのことに自覚的でそれがいいと思ってる。描写の精度が高いんだよな。

本編はこのウツボ一家がいろいろな筋から絡んでくる話。新入りツトムさんはクロさんの元同僚、ウツボさんの次の標的がタコ社長んとこのヘンタイ貝沼くん、かわいそうな助手のヒナコさんはアキラさんと何やらあったっぽい、とね。いろいろ絡めてきそうだが、こうなると謎の殺し屋鈴木さんが気になるところ…って程でもないか。

元締のウツボさんに藤真秀でめっちゃエエ声、殺し屋鈴木に子安で得体が知れない、とキャスティング外さないな。ヒナコの安済知佳も安定感ある(もう三十路越えなのか…)けど、期待の新入り・ツトムの金光祥浩さんがとても良かった。あまり知らないお方だった(やはり関西系)けど、一見無害なカタギっぽい外見で人当たりもいいけどヤクザ稼業だーいすき、というクズ具合演技が最高だったな。

あとキャスト表見てて今更気付いたけど、ウツボご一統の名前はお魚シバリなのか。ウツボにスズキにイサキにサバ…。マグロ組といいタコ社長といい、魚が何か通底テーマなのかな。