水星の魔女/リベンジャー

●水星の魔女・12話。あれやこれやの大域的…まあ中域的か、そんな思惑があってコロニー上に局地戦が発生している。突入部隊はザクというかソルティックみたいなヘルメットで顔が見えず、あくまで無名の舞台装置って演出が潔い。そんな「装置」を排除した上で、娘にゴリッゴリのマインドコントロールをやらかすプロスペラ/エルノラお母んの不穏さと、それに従ってしまうスレッタ。そっからのいささか不完全燃焼なバトルを経て、ミオリネさんとの決定的なギャップを生成するイベントを叩きつけてから「2期へ続く」である。

言うてしまえば「主人公が敵を殺してしまう」というイニシエーション的お話ってことで、ガンダムシリーズだと定番というより不可避に近い要素なんだけど、ここまでの話の積み重ねでその定番さを結構なショッキングさに持ち上げる構造になってんのが上手いってことだろうな。加えて当の主人公ではなく、その相方に当該ショックを肩代わりさせている、というツイストも効いている。これァなかなか重たい次シーズンへのフックになりましょうわな。あとついでにグエルのお父んはよせばいいのに自分でMS乗って戦うもんだから、結果的にグエルさんに殺されてしまうというのはとばっちり。何のとばっちりかはよく判んないけど、これまた言ってしまえば制作側のとばっちりでしょうかね。ま、その辺はシーズン後の講釈ってことで。

●新番組・REVENGER。松竹・亜細亜堂虚淵という妙な座組で架空の幕末期を舞台にした作品。どんなんかなと思ったらこれはつまり、仕事人でいいのかな。何でも屋の「利便事屋」でリベンジャーってのはなかなかいいゴロではある。適度にハデなデザインに、ビターで重たい話運びに、ぐっと落ち着いた演出でもって嘘くせェ仕事人が暗躍する…ふむ、このバランスは悪くない。鬼平アニメみたいに時代劇チャンネルで流されてほしい感じですねこれ。…あと、諸々知ろうと思って検索したらどうも別のリベンジャーアニメが引っ掛かりがちなのがちと困るな。どうしても利便事屋ってシャレを使いたかったんだろうねえ。