アクティヴレイド/だがしかし/昭和元禄落語心中

アクティヴレイド -機動強襲室第八係-・11話。日本のインフラはロゴスに掌握されそうであり、そんな状況を煽って楽しむバードさんが憎たらしいのである。自由に動ける悪と縛られた正義ってのは前回も言うたけど、それが「ジャパンスタイル」としてサブタイにまで出てきたってことは…どうだろう、ダイハチさんたちはあくまでそのスタイルを押した上で戦う、ってこったろね。オトナ対コドモでどこまでオトナが勝てるか、と言ってもいいだろうか。

双方あの手この手で攻めあったりして、しかし当然というか何というか、ロゴス側が常に一手先を打つという状況。最後の最後で「やったか!?」と言っちゃったってことは多分やってないんだろうな、と思ったら案の定、とうとう日本はミュトスさんの前に屈することになる…ということの象徴がリコちゃん、ってのは判りやすくて良い。いつまでも単なる番組マスコットじゃないだろうなあとは思っていたが、こうしてガッツリと侵蝕された遍在さを出されるとなかなかのインパクト。…聞けばアニメだけじゃなくてアプリからHPから全部そうなってるらしいっすね。凝ったことしますな。

まーそれでも、何となくダイハチの面々はそこまで深刻に勝負を捉えてないのじゃなかろうか、ってのはある程度ミュトスさんと似たようなとこがあるとは思う。一番熱血してる黒崎さんでさえ、(一応口では)負けても部署異動するだけだ、とは言いますしね。それを越えたところにまた、ドラマがあるのは間違いないでしょうけれども。

●だがしかし・10話。ほたるさんがなぞの引っこもりをする話。いつまで経っても出てこない彼女の理由は一体何だろう…って、前回の口内炎まだ引きずってたのか。というか、そこまで腫れあがったりすると流石にヤバいんじゃねっすかね? ギャグやったり駄菓子喰ったりする以前に、医者に診てもらわんと不安でたまんないくらいの状況だと思うんすけど…。

大体前と後ろの2話構成であるこのアニメにて、30分枠全部使ってのお話ですが…ううん、ちょっと間が悪いというか、流石にダレ気味な話であったのは否めないなあ。スパンとこの半分にしても充分だったように思ったりする。それにしてもほたるさん、あの別荘(だかなんだか)を含め、やっぱ謎の存在ではあるわいな。とにかく彼女には周囲の人間が雰囲気も感じられず、孤立してる感覚がある。まあほたるさんがというより作品としての傾向なんだろうし、それが何となく彼女のキャラにもなってんですけどね。…そういや親らしい親が見えるのってココノツくらいか。サヤ師のお母さんとか、どんなんなんだろね。

昭和元禄落語心中・11話。片田舎でやっと見つけた助六は、嫁ァのみよ吉にも逃げられて自堕落の極地。それでもあんまし悲壮な感じがしねェのは助六のニンもあろうし、一人娘の小夏っちゃんの存在もあろうし。それでも菊さんとしちゃなんとかこの男を落語の高座に戻したい、ってんで押し掛け女房役を買って出るワケである。…小夏を真ん中に両手繋いでシンさんと菊さんが歩いてくという、何だろうねこの不思議な擬似家族の絵。んでまあ、そんな流れのラストに、いかにもヤサグレましたーって感じのみよ吉さんがカットインして次回に続く、ってんですがね。

今回の見どころ聞きどころはやっぱしラストの「二人三脚落語」だろうなあ。興が乗った二人がその場のノリで、野ざらしのそれぞれの人物を文字通り演じ分けてご一席。当代きっての人気落語家、観客は小夏さん一人だけ。そんな贅沢なシーンであるけれど…よくもまあ、これをアニメでやりあげちゃったものだと思う。ドラマだろうが映画だろうが、あるいはホンマモンの落語家二人連れてこようが、いちシーケンスとしてキッチリ構築するのはなかなかキッツイぞこれ。いや、割と恐れ入った。絵も演技も演出もスゲエよ。

おっきな旅館の主に阪脩は久しぶり。この人ももう大概なトシやんね。あと細かいとこだけど、菊さんが小夏っちゃんの散髪をするシーン、その象徴性はまあ置いといて、前髪カットされてる小夏っちゃんが目ェ瞑って口とんがらかしてんのがすごく「歳相応」なかわいさでした。言われてみりゃこういう表情、するよねえ。