だがしかし/昭和元禄落語心中

●だがしかし・8話。前半はなんか知らんずーっと怪談してて、何だこれ特別編かなんかかしらんとか思ったら「超怖い話ガム」ってのがあんのすけ? へえ最近はいろいろあんのねえ。検索してみたらトップ製菓。製品ラインナップ見ると確かに駄菓子も多いのだが、目を引くのが怒濤の番組タイアップ商品の数々。それもマリオからポケモンからプリキュアからライダーから、人気番組の目白押しである。なかなか面白い企業戦略と経歴だなあ。…あんま本編関係ないね。とりあえず何かにつけ怖がるサヤ師がかわいかったです。あと確かに、ガム喰うなどの生活感が出てくるとオバケも怖くないよね。

後半はけん玉。そうそう、サヤ師って「遊びが上手い」という属性があったっけか。こういう微妙にズレた獲得属性がこの人の魅力でもあろうかしら。あと想像シーンの男装ほたるさんがイケメンでいいと思った。あと占いガムは…うん、まあいいや。何だろうねこの心底どうでもいい話の流れ。悪くないなあ…この一日を無駄にしている野郎どものスライスオブライフ。どうでもいいけど。

昭和元禄落語心中・9話。助六と菊比古は真打となり、これでいっぱしの落語家である。そんな席でも助六のシンさんは気に入らねェ会長の十八番である居残り佐平次をかけたりして、この人はいつまで経っても変わらない。…が、その変わらない熱意を押し通すにも気力が要る。そう、破天荒で当たるところ敵なしに見えるシンさんってのは…一面に過ぎないのだ。はたして菊さんは、そんな彼のことをちゃんと知っていただろうか? そんな話。

破門されたシンさんと「フられた」みよ吉っつぁん、お互いに欠けたところを埋め合わせるようにくっついちゃうのが「昭和のメロドラマ」な生っぽさだ。二人の逢瀬の寝物語、これがまた重い重い。台詞ひとつひとつにこんだけ情感が乗ってるような会話、まいンち続けてたら擦り切れちゃうよ? とまあいかにも日陰っぽい状態であるのに、菊さんには落ち込みつつもそのまんま言えちゃうシンさんと、師匠に対して助六の是を願う菊さん。やっぱこの二人の関係性は強いんだなあ。無論、その繋がりだけではどうしようもなかったからのコレ、なんですけどね。

顔出しいきなりイヤミかます会長さんに柴田秀勝、軽薄なライターさんに山口勝平。相変わらず声優演技者のど真ん中を持ってくる作品ではある。特に秀勝会長は、演者の経歴である「かつてコワモテ三昧だったけど今は円熟」というのが重なってなんかよろしいな。多分この会長さんも昔は無茶やらかしてたんじゃなかろうか、とか。まいいか。