血界戦線/オルフェンズ

血界戦線・最終話。やっともやっとって感じで放送であり、多分尺的には2話分くらいの話を中途CM無しでぶっ続けである。放送枠が1時間取れなかったのか、あるいは30分におさまりきらなかったのか。確かに日にちを置いた分だけゴージャスな最終話であったけれども…うーん、どちらかと言うとポエム主導っぽい最終話だったおかげで、それまでの雰囲気を思い出して継続するのにちと困難があったりしたな。これ、ストレートにラス前から1週明けで見たらもうちょっと印象違ったかもしれない。

てことでロットの大崩壊を防ぐためにレオさんが絶望王…ブラックとホワイトさんとこに向かう、という構図の話。作中何度も「普通の人」と表現されるレオさんだけど、その普通ということがいかに普通じゃないかってことが示される話でもある。最後、身も世もなく大泣きする彼の姿が普通の象徴だすな。何もかも歪んでいるがその根っこは一本通っている…ふむ、実は彼こそがこの町を体現する存在そのものなのかもしれない。

●総評。クォリティ高くてカッコいい、気軽に楽しめる異能アクションアニメ…って位置づけでほぼ間違いないだろう。個性あふれる味方や敵、極端でぶっ飛んだ展開や舞台。その中で「あー、こんなん絶対かっこいいよなー」と作者が思う要素を面倒事なくブチ込んだという。だから…そうねえ、ここまでガッチリと質の高い作り方になってたのはある意味興味深いところ。気軽なものを気軽に作ったらあまり意味がないってのもよく判るし、こういうエンタテイメントこそ気合入れて作るべきだってのも正しいことだし。…まあ問題は完結までがこーゆーことになっちゃったって、そこだろうねえ。こればっかりは…作品のデキとは別レイヤで、見る側もその状況に引っ張られちゃうしねえ。

ま、それでも、アニメ作品として一応の区切りまで地上波で見ることができたってとこで幸いとすべきとこだろうか。続きはOVAでとか劇場でとかよりよほどマシである。関わってる制作スタッフは大変だったでしょうけどね。ともあれ、未だ原作も状況も続いているし、続編見たいかっつーと見たいなーと思うくらいはおもろかったですよ。うん、できるかどうかは別としてね。…この総評も途中休止がなかったらガラッと変わってたかもしれんなあ。

●新番組・機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ。えーと火星独立を背景としての、これ民間軍事企業がメインのお話なのかな。とまれ、主人公たちは下層の傭兵っぽいお子たちであり、それが政治的アレコレに巻き込まれてなんか知らんお姫様っぽいお人の護衛をすることになるが…というね。日曜5時のエエトコもらっての結構大きなプロジェクトであるのが判る、そんな第1話でありましたな。伊藤悠原案のキャラって段階でガンダムとしては異色だが、このちょっと線の細めな華やかさはしかし悪くない。

さて。初っ端から群像劇っぽい数の人々と複数の団体を見せられ、当然ながら詳細に説明されてるワケでもないので少々判んないところもあるのだが…ううん、しかしこれは上手いな。ここで一応初期のコマ配置をさらっと見せて印象付けた上で、お話のエモーショナルなキモはロボバトル…ガンダムが一発逆転で花道から飛び出てくる、その一点に焦点を当てて全体を構成している。この作品の方向性がそうだというだけかもしれんが、様々な部分に過不足が無くてちょっと感心した。第1話としてかなりレベルの高いパッケージじゃなかったでしょうかね。

個人的にはモビルワーカーですか、装甲車に手足が生えただけみたいな使い捨て戦闘メカの地味かっこよさが好きです。あとお話の出発点がクリュセってのもいいね。火星と言えばクリュセ平原ってのはおっさんの刷り込みみたいなとこあるからなあ。…えー、てことで、これは楽しめそうなシリーズである。視聴継続してみよう。