モノノ怪/スカルマン/ヒロイック

●新番組・モノノ怪。前作は途中までの鑑賞であり、本作についても詳細は知らず。てことで見始めたが…確かに、これはなんかすげえな。ほとんど映画祭なんかのアートアニメに近い。


デザインや色彩のセンスに限らず、口パクじゃなくて顎ごと動かす喋りとか、要所で強烈なディフォルメのかかる表情とか、作画技術的な見所もかなり多い。が、やっぱしそれほどワタシ好みの芸風ではないなあ。有体に言って、そのまあ、鬱陶しい。純粋に好みの問題なのでどっちが悪いって言えばワタシが悪いのですが。


語られる内容自体は案外俗な内容であってそこは悪くない感じ。そこら辺で興味が続けばいいなあ。あと、歴史的様式美としての見得きりってのは正しく現代ヒーローモノのルーツなのだなあ、と思った。


スカルマン3話。小さな街の裏側にて暗躍する人たち、そして人ならざる者たち。1話見逃したのでしゃあないが、どうも地味な流れだなあ…と思ってたらいきなり三大怪人の決戦シーンがあってちと嬉しかった。骸骨男は無辜の怪人(?)を殺すことを生業としているようだが、さてその真意やいかに。マネージャの鳥女さんの最期はなかなかにドラマチックでしたな。女優の人を殺したはどうも別人のようだが。


メガネマネージャさんを追い込むシーンと堀勝之祐探偵との会話シーン、お互い別種の緊張感のあるシーンのカットバックで見せるのは面白かったけど、ちょいと流れ…特にアクションの流れを阻害気味に見えて「ああん、そこはまとめて見せて欲しいな」と思ってしまった。…あと、途中の鬼太郎/(故)三木のり平ごはんですよCMのインパクトが強くて困ったりした。


ヒロイック・エイジ15話。エイジの狂乱がディアネイラによって収まるまでのお話。荒ぶる神を鎮護するのは古来より姫様と相場が決まってますのでね。そのまま放っといたら超新星クラスのエネルギー放出だそうで、それはかなり絶望的なことであった。実際、炎の姿となって自らの外部構造を破壊しながら暴れまわるアクションは強烈至極。こら太陽系も無くなるわね。


てことで、一応の区切り話だけあってかなり濃厚な内容だったのではないかな。登場人物各々にしっかりしたドラマが用意されているし、クライマックスのエイジvs姫…vs違うけどまあ、あのシーンも「ストイックな愛」が横溢する盛り上がりぶりだったと思う。前半は大体ちち艦長がさらっていってるんですけどね。悲壮な覚悟を胸に秘め、安堵して落涙しかけ、凝った作画で跪き、同期相手に軽口を飛ばす。ええ、良いサーヴィスでした。


…あとやっぱ、ちち艦隊兵器の異形な美はホンマに捨てがたい。巨大構造物フェチとしてあのムチャな空間展開構造には惚れてしまうぜ。一個くれ。