花を見るバカただのバカ

●そろそろ桜も盛りを過ぎかけだし、みなさんどないして居られるかと思って部室に行くが部員誰も花見してない。花見は? ねえ花見はどうしたの? と訊いてみたら「だってさぶいですやん」と言いやがった。こーのー軟弱者どもめそこへなおれ。我が銘刀カシナート・ザ・リボルビングブレードのサビにしてくれるわ。でも確かに寒いよね。じゃいいや。


しばらくしたら部員が一人、真っ赤ィけの顔してやってきた。こいつは別の仲間と花見してて、しこたま酒呑んでぐでんぐでんになったらしい。普段はエエ感じのスカシギャグを操る男なのだが、今となってはただの酒臭い肉塊に過ぎぬ。昼間っから気合入っとんのう。


そんで彼の言うことにゃ「これから個人指導の塾バイトに行くのです」と。ああ見事な破滅型野郎。そんな酒臭さのアバターみたいな状態で行ったら即刻クリティカルヒットで首にされるよ。どうすんのどうすんのその臭い。とみんなで言ってたら、臭いには臭いで勝負だ! つって大量の香水をぶっ掛けてからにこやかにバイトに去っていった。足元ふらふら。かのバカに栄光あれ。多分翌日は鬱から抜け出せまいがな。


●そのちょっと後に「そう言われたら花見したくなった」と言い出して部員さんたちも外に出て行った。もう夕方であって輪をかけて寒いよ? 何故昼間のあったかい時に花を見ないの? 脇で見てたら、寒さに対抗するためか酒消費のペースがガンガンに速い。…あー、こちらもぐでんぐでん生産工場だな。バカが多いのでとても居心地がよいなあ。


ワタシ? 家出る前に仕込んできた山菜炊き込み御飯が気になるので中座して帰ってきましたけどね。山菜飯は旨かったです。