攻殻のアレ

●テレビが見られないのでなんか別のものを見る。てことで、今まで長いので手を出せてなかった、攻殻機動隊SACのSolid State Societyを見ることにする。あ、当然某TUBEでなのでダメ感想にしかならんですが。


あんまし絶賛とかは聞かない作品なのでどうかなと思ったんだけど、うん、サスペンスとしてなかなか面白いじゃないですか。老人問題やら子供の虐待やら、そういうゴリゴリした社会問題を絡めてくる辺りはSACらしい。ちょいと説教臭いとこも、ですがね。


話自体はちゃんと盛り上がるし、フーダニットのサスペンスとしてもちゃんと機能してるし、娯楽性はかなりあると思いますよ。サイトーの狙撃話が一番好きかな。ああいう技量勝負ってのは個人的に燃えますんで。


作り方として目を引くのは、やっぱし過去のリソースの大量引用だろうなあ。原作や一作目映画どころか、イノセンスまで取り込んでくる貪欲さには割と驚く。そのせいか知らんがバトーさんのキャラがエライこと暗くて、序盤は少々辛気臭ァい感じが抜けなかったんですけどね。原作ファンにはトノダ大佐や施設警備のランドメイト男や9課の中村さん(これは映画版もか)など、カメオっぽい出演がちょいと嬉しい。


ただ、そういう要素の多さがガチャついた印象をも生んでるんだよな。それがSACの味ではあるが…うーん、押井の奇形的な説明の偏りとどっちがエエかなあ、って比べてる段階で間違いですかそうですか。


作画は流石に上等なもの。OPの西尾顔連発から始まり、実に統制の取れた作画で楽しませてくれます。特にすげかったのが、バトーが「ああ間に合わなかった」ってひざまずくシーン。これちょっと表現しにくいんだけど、アメリカ映画の俳優的な動き。ほとんどアニメじゃやんねーような…リアルってのも違うし、定番芝居から外れて血肉通った「人」みたいな感じでかなり良かった。うわあ、って思っちゃいました。


ま、あの小さい画面で見るように作られてないので、画面の暗さには閉口したんですがね。これは全面的にワタシが悪いのであってごめんなさいである。以上。