タフの方舟1

●とまあ、最近何やかんやで電車乗ったりする機会があったので久々に読書したりする。ジョージ・R・R・マーティン「タフの方舟 1・禍つ星」読了。


宇宙商人にして自称環境エンジニアであるハヴィランド・タフの物語。こいつがまあ、まず外見からしインパクトの大きい人物。異様にひょろ長い体型の割に、お腹だけは見事な太鼓腹。ツルツル頭に表情の欠落した白皙、よく動く大きな手。その上で性格がかなりアレ。どーんーなー時にも慇懃無礼、相手の無礼は倍にして返すヤらしい男。…こんな人物が、遺失文明の巨大遺伝子ライブラリ船を手に入れたらどうなるか…?


うーむ、面白い。とにかくこのタフという人物が強烈で、どんな相手にも一歩も引かぬイヤミ攻勢は実に見事。物語自体も上質で、特に第一話にして表題作である「禍つ星」、こいつのストーリィテリングは…いやホンマ、本を置く隙を与えてもらえないほどでやんした。


あとこの作品、実は根強いジャンルである「おネコ様SF」なんですよね。ネコ第一主義。もう頭から尻尾までネコネコネコ。海千山千のタフ氏も、ネコ一匹のために我が人生を危うく棒に振りかけたり。ネコ好きなら一読の価値は充分ありあり。


あとがき見ると執筆年代に割と幅があるようで、それだけに話ごとの質感に少々差はある感じですね。でもま、これは第二巻目「天の果実」も楽しみですな…って、今まさに読み始めたところですが。


訳は酒井昭伸。相変わらず物語性の強い作品には強ォございますな。固有名詞や古臭え言い回し等の懲り方も如例。…つーことで、シモンズの次作もなんとか早めに…。


画像。こないだゲストキャラのリカさんの落書きしたが、今回は主役のタフ氏。


…いやー、前のパソからサルベージできて良かったよ…。