ダンジョン飯/怪異と乙女と神隠し

ダンジョン飯・最終話。前半はガーゴイルをどうにかする話。チェンジリングがメインギミックで、その効果をファリンに利用できんかとするライオス。ファリンのドラゴン部分のバリエーションとして、コモドドラゴンヴェロキラプトル・ムシュフシュというラインナップがとてもマニアック…。その一方、マルシルは各種族の寿命差を実感と共に思い知る。これは…まあ、今後への重要な伏線だわな。

後半はドワーフの斜行エレベータ。現実世界のそれよりもAKIRAのリフトっつーか…あと全体的な雰囲気はMYSTRIVENを思い出す。まあとにかくそこで語られるトーデン兄妹の過去、本人は軽く言うけど実際ヘビーな経歴ではある。現状のファリンを思いぽろぽろ泣いちゃうマルシルに、どうしていいか判んないけどとりあえずはそばに寄ってやろうとするイヅツミがホンマねこっぽいな。

そして示されるのは、この迷宮の生と死の軛から逸脱する方法としての「食」について。妹ファリンを喰うという、カニバリズムこそが窮極的な答えなのではないか…ってのはなかなかチャレンジングな提案ではある。しかし、それはまあ、この作品の流れとしては妥当なのかもしれない。

あとはまあ、エルフセンシの中博史さんが楽しそうでいいと思いました。

●総評、つったって丁度折り返しんとこで本当にこっからがメインディッシュの話だしなあ。とまれ、あの原作をここまでじっくりがっつりアニメ化してくれたことには心底感謝する次第ではある。キャストの演技も暴走しがちな作画も丁寧なデザインも全て好ましい…惜しむらくは尺に合わせて細かいディテイルがいくつかオミットされちゃったとこだろうか。できればディレクターズカット版とか出てくれるとありがたいが、まあアニメという形態上はそう簡単にはいかんだろうな。まいいや。

この上はちゃんと最後まで映像化してくれることを願う。どうやらそうなりそうなのでそこは心配してないけれども、さて2期はいつになることか。待ち遠しく楽しみにしておこう。以上。

●怪異と乙女と神隠し・10話。Vtuberよるむんは遍在し、のどかさんは憔悴する。以前に付喪神の話をしていたが、今回のは「絵から抜け出た妖」という伝承の現代版か。抜け雀とかそういうアレっすな。暴走したチューバ―に依存するのどかさんをどう止めたものか…ってとこで、中の人に会わせるってのは膝を打つ。なかなかの力技だわな。中の人・ミカモさん、菫子さんを本気で怖がってる理由が「おっぱいがでかすぎるから」ってのはまた…めんどくさいフォビアだな! 

難病(筋萎縮症かな)が進行しつつあるミカモさんは、まだ動けるうちにとよるむんを救おうとする。あっという間に場を掌握するよるむんをキッチリ跳ね返す、ウナメ先生がつっえーなあ。ともあれ、他者を呪いに近くなるまで応援するという怪異よるむんに、そのまま皆の感謝を送ることで神上げをするってのは上手いな。そしてよるむんが象徴する真の意味と、真の応援者を開示することで話をシメる。毎度ながらちょっと衒学的すぎるとこもあるが、ようまとめるなあとは思いました。

本編以外んとこ、各キャラのデザインがヘンなとこでヘンなフェチしてて割とアレだな! よるむんの蛇身なのに黒ぱんつ履いてるとことか、乙ちゃんのへそ出しの私服とか。本人のセンスか化野くんのものなのか。あるいはシズクさんか。まあいいけど。