ドリフターズ/ジョジョ/オルフェンズ

●新番組・ドリフターズ。原作についてはごく飛び飛びでしか見ておらず、基本的な設定と登場人物を認識している程度。さて本編ですが、とりあえず日本組三人が異世界にて一堂に会するまでの話。信長与一と比べて認知度で言えばマイナー寄りな島津豊久を、まずメインに据えてその異形な性格を観客に据えつける、というセオリー通りの語り起こし。前半の合戦シーンは彩度の低い薄墨のような背景に、赤と緑がどんよりと乗っかるという陰鬱な色調が効果的でよろしい。その後の扉の回廊、そして異世界の夜との対比として印象的ですわな。

そしてキャラを筆頭としてのあの絵、特徴的な原作のデザインをかなり丁寧にアニメーションに落とし込んでて感心する。このまんま最後まで行くのはかなり大変だと思うけれど、なんとか頑張っていただきたいところ。てェか原作もまだ続いてるし、これっていい区切りの場所ってあるのかな。

ともあれ、何だかんだでめんどくさい原作者のアニメ化ってこともあらん、気合の入った作品だなってのはよく判る。いかんせんまだ話のとっかかり、これからどう進むかってのはまだ判りません(まあそういう体で)けどね。…しかし相変わらずコメディパートは遠慮と節操がない、っつーかもう感性が古いオタクっぽさがあるなあ。マンガで読む分にはまだ読む側の随意でテンポ調整できるけど、キッチリアニメ映像化されるとやはり少々キツいとこがある。まあこれはこの作者の身に染み付いた「性癖」でもあるし、それほど文句もないんですけどね。ともあれ、視聴継続してみよう。

ジョジョの奇妙な冒険・28話。ミキタカさんの後編とハイウェイスターのトッカカリんとこで1話、という割と変則的な構成の回。前回も言うたけど全体の尺にあわせて出し入れ苦労してる感じはするな。えーとりあえずまずは狸賽ミキタカさんですが…いやはや、終わった後で見てみれば仗助はようこんな…露伴先生みたいな人物に対してペテンやらかそうと思いたったもんやな、ってなとこですね。相手のイカサマが見破れないならばどうするか、で「相手をこの場から逃れさせない」という目的のためにテメエの指を切り落とす、という発想に至るってのがクレージーである。そらまあ、火事でウヤムヤにでもしないとおさまらんわなあ。露伴先生って描いていて面白いんだろうな、ってのがよく判る。

後半は露伴先生とハイウェイスター。トンネルの中に得体の知れない部屋があり、それを確かめるとなにやら足跡のようなモノが高速でおっかけてくる…という、このイメージはなかなかに怖い。スタンドバトルなのでまあ相手も人型のヴィジュアルを出してくるんだが、もしこのシバリがなくて単にそういう能力の現出だけだったら結構なホラー展開だと思うン。やっぱ荒木先生はこういう「異常な場面」の発想と切り取り方が抜群ではあるなあ。

この戦闘において有名な「だが断る」のシーンが出てくる。今回は人物バイク諸々含めて整った作画の上に当該シーンは「マンガの線画」っぽい効果を持ってきてて印象に残る。スタッフもここが勘所だと認識しておられるっちうこってすな。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ・27話。戦場に降り立ったミカさんは鬼神の如き動きで敵海賊を退ける。やんや鉄華団員であるが、新入りのハッシュさんは彼に対していささか鬱屈を持った目線を送らざるを得ない。それは彼と彼の仲間の出自によるものであり…とかまあそんな話。阿頼耶識手術による悲劇は彼のヒネクレ理由として充分なのだけれど、まあこの鉄華団、どいつもこいつも似たような重たい過去持ってるやつらばっかりやしなあ。彼の兄貴分が絶望して見ていた「凄いヤツ」が目の前に居るという状況は、なかなかの皮肉ではある。

んで鉄華団自体もいろいろと苦労があるようで。地球支部での不満とか何とか、あの辺は組織が大きくなってきたことの弊害だろうね。チャドの立場でもしもビスケットが居たら…とか思ってしまう。言うても詮無いことではあるが。

あと本編の方にもとうとう第二の仮面の人が出てきた。今回はマッキーの内部敵対勢力のお仲間さんとして、仮面のスリットをグボオンと光らせただけで終わってますけども。さて、順当に考えればその中身はガエリオさんだろうが、あるいはアインという線もあるかしら。いずれにしても単に素性を隠すための仮面だけじゃない…って可能性もありますよねえ。ひょっとして仮面じゃなくて顔面全部機械だったりしてね!